箏曲「越天楽変奏曲」
牧瀬裕理子の独奏と箏の合奏、尺八、笙、フルートや太鼓などのアンサンブル。琴は十七絃を合わせると20人超いたのだが、その迫力が感じられず。
舞踊「四季三葉草」
花柳壽應の翁、孫の壽輔が三番叟、ツルが千歳。壽應は足取りがおぼつかなく、孫2人は未熟に見えた。壽輔は足踏み、鈴のリズムが心地よくなかった。
狂言「髭櫓」
山本東次郎のシテ、則孝の妻、凛太郎の告げ手。つい先日、茂山千五郎家のを見たばかりなので、同じ大蔵流でも随分と違うものだなぁと。東次郎家はセリフが総じて能っぽい。ワキのような感じで、フレーズの終わりが高くなる話し方で、形式的というか、やや単調に感じる。妻が仲間と共に反撃に出るところは、武器を携帯するだけでなく、陣羽織のような袖なしの上着を着用。髭を抜くところでは、仰向けに押さえつけて巨大な毛抜きで挑みかかる。髭を抜かれた夫は隠れるように下手から退散。
歌舞伎「義経千本桜 川連法眼館の場」
文楽座特別出演で、咲太夫・燕三に燕二郎のツレ。歌舞伎は菊之助の忠信、梅枝の静、時蔵の義経。
前半、本物の忠信と義経が引っ込むところまでは通常の歌舞伎と同じ。御簾内で竹本が語る。
館に御簾が下りると、上手から咲、燕三の乗った床が現れ、黒衣が口上。太夫、三味線に続いて、役者の名前も、しかも2回ずつ述べ、「文楽座特別出演」であることもしっかり言及。
咲の語りは、力強さに欠けたが、竹本との違いは明白。全て太夫が語るのかと思ったら、詞は役者が発していたようで、意外と役者の語るところが多かった。床は役者の間に合わせるのでなく、梅枝や時蔵のセリフおわりに被せるように語り出すところも。
忠信が自らの正体を告白するところは菊之助が語ったのだが、狐言葉が遠慮ぎみというか、咲に教わった通りにやっているのか、あまり声を尻上がりにしなかったり、語尾を早口にしていなかった。言い出しに「コッ」というような音を入れていたのは、狐の鳴き声なのか?咲も度々入れていたが、素浄瑠璃の時にはなかったような。
菊之助の狐忠信は、階段から出てくるところこそもたついたが、他はスピード感があり、軽々と動いて心地よい。鼓を慕う様子が愛らしかった。
2019年9月28日土曜日
0928 阿佐ヶ谷スパイダース「桜姫」
設定やストーリー展開はいろいろ違っているのだが、鶴屋南北の世界を余すことなく描いた。
時代設定を戦後間もない混乱期にし、混沌とした空気が漂う。清玄はかつて、少年白菊との心中をし損ね、戦後は罪滅ぼしのため、恵まれない子供たちの慈善事業に勤しみ、聖人と崇められている。桜姫は吉田という名で、孤児院?育ちだが、元は高貴な家の出だと。金持ちに見初められて結婚するところで、人を刺して逃げてきた権助に押入られ、一目惚れする。折り目正しい言葉遣いの藤間爽子が、無邪気で冷酷な桜姫を好演。三国に犯されそうになるところで、はじめは抵抗しているのに、いざ組み伏せられたら恍惚の表情。権助のときは、はじめから惹かれているようだったが。
舞台上の穴を利用して、ふっと姿を消したり、現れたり。血みどろになったり、醜い痣ができたりと、グロテスクな描写がおどろおどろしく、怪談のような不気味さ。
他の人には聞こえない音楽隊に導かれる桜姫。清玄、権助、白菊が入り混じり、錯綜するラスト。入江に銃殺されるのかと思いきや、全員で花火を見上げるラスト。
休憩挟んで2次会45分が短く感じた。
時代設定を戦後間もない混乱期にし、混沌とした空気が漂う。清玄はかつて、少年白菊との心中をし損ね、戦後は罪滅ぼしのため、恵まれない子供たちの慈善事業に勤しみ、聖人と崇められている。桜姫は吉田という名で、孤児院?育ちだが、元は高貴な家の出だと。金持ちに見初められて結婚するところで、人を刺して逃げてきた権助に押入られ、一目惚れする。折り目正しい言葉遣いの藤間爽子が、無邪気で冷酷な桜姫を好演。三国に犯されそうになるところで、はじめは抵抗しているのに、いざ組み伏せられたら恍惚の表情。権助のときは、はじめから惹かれているようだったが。
舞台上の穴を利用して、ふっと姿を消したり、現れたり。血みどろになったり、醜い痣ができたりと、グロテスクな描写がおどろおどろしく、怪談のような不気味さ。
他の人には聞こえない音楽隊に導かれる桜姫。清玄、権助、白菊が入り混じり、錯綜するラスト。入江に銃殺されるのかと思いきや、全員で花火を見上げるラスト。
休憩挟んで2次会45分が短く感じた。
2019年9月27日金曜日
9月27日 京山幸太 実験的前衛的"超"新作浪曲的独演会
古典、新作、超新作と銘打った3本立て。ゲストは月亭太遊。
古典は任侠物「吉良の仁吉お菊の別れ」。可愛い顔に似合わず、意外と野太い声が任侠らしい。
続く「任侠ずラブ」は古典の原作と続けての上演でより面白く。「おっさんずラブ」で部長と牧が春田を取り合って喧嘩することシーンのパロディが面白かった。
超新作は「ギャルサー」。ピンクの紋付に着替え、目元にメイクも。ギャルが主人公なのだけど、描いている物語は義理人情。バックダンサーを従えてパラパラを踊り、終盤では客席降りのお楽しみも。
古典は任侠物「吉良の仁吉お菊の別れ」。可愛い顔に似合わず、意外と野太い声が任侠らしい。
続く「任侠ずラブ」は古典の原作と続けての上演でより面白く。「おっさんずラブ」で部長と牧が春田を取り合って喧嘩することシーンのパロディが面白かった。
超新作は「ギャルサー」。ピンクの紋付に着替え、目元にメイクも。ギャルが主人公なのだけど、描いている物語は義理人情。バックダンサーを従えてパラパラを踊り、終盤では客席降りのお楽しみも。
0926 iaku「あつい胸さわぎ」
大学生になったばかりの娘と、女手一つで育ててきた母の関係を軸に、初恋相手の幼馴染こうちゃん、母の同僚で姉のように慕うトコちゃん、母の会社の新任係長が織りなす、その辺にありそうな物語。年頃の主人公が母に反発する様子や、恋愛経験のなさに悩む様は、少し幼い気もするが、リアリティがある。乳がんの疑いが浮かび、はじめは母の方が狼狽するが、検査結果がはっきりしてからは娘のほうが落ち込むなど、女心をよく描いている。
こうちゃんがトコさんにアプローチをかけるくだり、一回り違うからと言いながらその日のうちに肉体関係をもつトウコはどうか。ああいう、自分が若くてイケメンと思ってる男子って私は嫌だけど。でもああいう男子っているよなぁと思う。
こうちゃんがトコさんにアプローチをかけるくだり、一回り違うからと言いながらその日のうちに肉体関係をもつトウコはどうか。ああいう、自分が若くてイケメンと思ってる男子って私は嫌だけど。でもああいう男子っているよなぁと思う。
2019年9月24日火曜日
0923 茂山狂言会 秋〜四世茂山千作 生誕百年祭〜
21日に千作が亡くなったばかりで、公演後に通夜の予定。冒頭、千五郎が千作の死を伝え、湿っぽいのは故人も好まないので大いに笑ってという趣旨の挨拶。
鳳仁、蓮の小舞ののち、「水掛聟」は舅役や千作に代わって千五郎、宗彦の婿、井口の妻。威勢よく水を掛け合う様子が子供の喧嘩のよう。
「枕物狂」は七五三、竜正、虎真、慶和。老いらくの恋に惑う七五三が微笑ましい。お相手が孫の慶和で、嬉しそうに見えた。
「子盗人」は千之丞、茂、逸平。子どもをあやす千之丞がほのぼの。
「髭櫓」はあきら、千三郎、千五郎、宗彦、島田、鈴木、増田、網谷。大人数で賑やか。
鳳仁、蓮の小舞ののち、「水掛聟」は舅役や千作に代わって千五郎、宗彦の婿、井口の妻。威勢よく水を掛け合う様子が子供の喧嘩のよう。
「枕物狂」は七五三、竜正、虎真、慶和。老いらくの恋に惑う七五三が微笑ましい。お相手が孫の慶和で、嬉しそうに見えた。
「子盗人」は千之丞、茂、逸平。子どもをあやす千之丞がほのぼの。
「髭櫓」はあきら、千三郎、千五郎、宗彦、島田、鈴木、増田、網谷。大人数で賑やか。
2019年9月23日月曜日
9月22日 九月文楽公演 第2部
「娘景清八嶋日記」
花菱屋を織・清介。声はいいし、節づかいも明朗なのだが、サラサラと過ぎていく感じで、今ひとつ心に響かなかった。佐治太夫が格好良すぎで、首(又平)にそぐわないように思った。
日向嶋は千歳・富助。千歳が大熱演。特に後半の「親は子には迷わねど、子は親に迷うたな」のあたりは咆哮するよう。客席からすすり泣きが聞こえた。理屈を超えて揺さぶられる感じ。
糸滝は花菱屋の簑紫郎から日向嶋の簑助に変わると一変して可憐に。ただ、体を投げ出したところで、足が膝を立てたようになったのがいただけなかった。
「艶容女舞衣」
酒屋の段は中を靖・錦糸。声の調子はいい感じ。婆が良かった。
前は藤・清友。咳き込むところがやり過ぎでは?
奥の津駒・藤蔵は、内容は全く酷いのだが、音楽的な楽しさがあった。
お園のクドキは改めて見ると何言ってるの?というか、あんな酷い夫はさっさと別れるがよいと思ってしまう。音楽的には素晴らしかったが。人形も、清十郎が品良く遣って良かった。
道行霜夜の千日は睦の三勝、南都の半七とこれまた逆転配役が意外感。ツレに咲寿、碩、文字栄、三味線は勝平、清馗、友之助、清公、清允。
人形は玉助の半七に一輔の三勝。三勝の胸を突いてから自らの首を搔き切る半七。三勝生殺しでは?というのと、喉切った割に動いてる不思議。
花菱屋を織・清介。声はいいし、節づかいも明朗なのだが、サラサラと過ぎていく感じで、今ひとつ心に響かなかった。佐治太夫が格好良すぎで、首(又平)にそぐわないように思った。
日向嶋は千歳・富助。千歳が大熱演。特に後半の「親は子には迷わねど、子は親に迷うたな」のあたりは咆哮するよう。客席からすすり泣きが聞こえた。理屈を超えて揺さぶられる感じ。
糸滝は花菱屋の簑紫郎から日向嶋の簑助に変わると一変して可憐に。ただ、体を投げ出したところで、足が膝を立てたようになったのがいただけなかった。
「艶容女舞衣」
酒屋の段は中を靖・錦糸。声の調子はいい感じ。婆が良かった。
前は藤・清友。咳き込むところがやり過ぎでは?
奥の津駒・藤蔵は、内容は全く酷いのだが、音楽的な楽しさがあった。
お園のクドキは改めて見ると何言ってるの?というか、あんな酷い夫はさっさと別れるがよいと思ってしまう。音楽的には素晴らしかったが。人形も、清十郎が品良く遣って良かった。
道行霜夜の千日は睦の三勝、南都の半七とこれまた逆転配役が意外感。ツレに咲寿、碩、文字栄、三味線は勝平、清馗、友之助、清公、清允。
人形は玉助の半七に一輔の三勝。三勝の胸を突いてから自らの首を搔き切る半七。三勝生殺しでは?というのと、喉切った割に動いてる不思議。
9月22日 九月文楽公演 第1部
「心中天網島」
北新地河庄の段
中を三輪・清志郎。
口三味線が別の楽器のようだ。
奥は呂勢・清治。緊張感のある出だしに聞き入ったが、だんだん集中力が削がれたのは、この登場人物たちに全く共感できないからか。むしろ、突っ込みどころありすぎてムカつくからかも。なんでこんなにダメ人間ばかりかね。特に治兵衛。呂勢の太兵衛は三輪より意地悪さが増して目が覚めた。
勘十郎の治兵衛は、なんだかシナっぽい。兄に諭されて身の置き所がなくなったところなど、コメディのよう。情けなさを遺憾なく表現するためか。和生の小春は耐える女。
天満紙屋内の段
口は津国・団吾。掛け合いでない津国は久しぶり。丁稚三五郎が絶妙。
奥は呂・団七。出だしから空撥、音程のズレであれれ、と思った。慎重な語りはいつも通りだが、治兵衛には似合うのかも。
大和屋の段は咲・燕三。手練れの語りで、技術があるとはこういうことか。
道行名残の橋づくしは芳穂の小春、希の治兵衛な小住、亘、碩のツレ、三味線は宗介、清丈、寛太郎、錦吾、燕二郎。芳穂と希はニンでいったら逆ではと思ったが、頑張った。けど、やっぱり治兵衛のダメ男ぶりが酷い。
北新地河庄の段
中を三輪・清志郎。
口三味線が別の楽器のようだ。
奥は呂勢・清治。緊張感のある出だしに聞き入ったが、だんだん集中力が削がれたのは、この登場人物たちに全く共感できないからか。むしろ、突っ込みどころありすぎてムカつくからかも。なんでこんなにダメ人間ばかりかね。特に治兵衛。呂勢の太兵衛は三輪より意地悪さが増して目が覚めた。
勘十郎の治兵衛は、なんだかシナっぽい。兄に諭されて身の置き所がなくなったところなど、コメディのよう。情けなさを遺憾なく表現するためか。和生の小春は耐える女。
天満紙屋内の段
口は津国・団吾。掛け合いでない津国は久しぶり。丁稚三五郎が絶妙。
奥は呂・団七。出だしから空撥、音程のズレであれれ、と思った。慎重な語りはいつも通りだが、治兵衛には似合うのかも。
大和屋の段は咲・燕三。手練れの語りで、技術があるとはこういうことか。
道行名残の橋づくしは芳穂の小春、希の治兵衛な小住、亘、碩のツレ、三味線は宗介、清丈、寛太郎、錦吾、燕二郎。芳穂と希はニンでいったら逆ではと思ったが、頑張った。けど、やっぱり治兵衛のダメ男ぶりが酷い。
2019年9月21日土曜日
0920 バレエ・アム・ライン「白鳥の湖」
1幕は額縁を連ねたような背景。王子や友人らはシンプルなシャツとスラックス、ドレスのような普段着のような出で立ち。女王のみ、マキシ丈ドレスで威厳を感じさせる。友人らは色付きだが、王家の人たちはモノトーンで、彩度がガラリと変わるのが面白い。オディールのソロやスワンクバーの曲。王子の友だちも個性的で、ヘソ出しで足りない感じの大男と小柄の男はゲイカップル?
2幕は額縁が取り払われ、下手に岩のようなセット。オデットの継母とロットバルトが無音のなか登場。この後も、曲と曲の無音で踊るところが多いのが特徴的。白鳥たちと、継母の手下が絡み、囚われの身であることが明確に。4羽の白鳥は手下ども。悪巧みしてるよう。
オデットと王子のパドドゥの間も、上手に祖父、下手に継母がたたずみ、善と悪の綱引きを暗示。ダンサーは表情豊かで恋の歓喜が丁寧に描かれる。演劇的な一幕だが、踊りのテクニックを見せつけるようなところは少なく、やや物足りない。
3幕は聞きなれない曲も。オディールは別のダンサーで、衣装も振り付けも異なるのに、王子がなぜ騙されたのか不明。
4幕はチラシにも使われた白鳥の群舞。ストレッチ素材のドレスを広げて深くプリエするのはユニークだが、美的ではない。写真に使うなら、上に伸びたポーズの方が魅力的では?
全体的に、王子の等身大の若者の悩み?が丁寧に描かれ、オデットより王子が主役の印象。ダンサーのスキルは高いが、ソロでの見せ場は少なく、群舞のスピード感が心地よかった。振り付けはクラシックの基本がベースで、足首をフレックスにしたり、床を転がったりするところにコンテらしさが感じられた。様式美より、心情描写を重視するようで、ただ見つめ合うようなシーンが多かった。
客席はまばら。興味深い舞台だったが、舞台装置や衣装のシンプルさなどを考えると、SS席2万5000円はお高い。録音にして値段を下げたらとも思ったが、沈黙の多い演出上、生演奏は必須なのかなぁ。
2幕は額縁が取り払われ、下手に岩のようなセット。オデットの継母とロットバルトが無音のなか登場。この後も、曲と曲の無音で踊るところが多いのが特徴的。白鳥たちと、継母の手下が絡み、囚われの身であることが明確に。4羽の白鳥は手下ども。悪巧みしてるよう。
オデットと王子のパドドゥの間も、上手に祖父、下手に継母がたたずみ、善と悪の綱引きを暗示。ダンサーは表情豊かで恋の歓喜が丁寧に描かれる。演劇的な一幕だが、踊りのテクニックを見せつけるようなところは少なく、やや物足りない。
3幕は聞きなれない曲も。オディールは別のダンサーで、衣装も振り付けも異なるのに、王子がなぜ騙されたのか不明。
4幕はチラシにも使われた白鳥の群舞。ストレッチ素材のドレスを広げて深くプリエするのはユニークだが、美的ではない。写真に使うなら、上に伸びたポーズの方が魅力的では?
全体的に、王子の等身大の若者の悩み?が丁寧に描かれ、オデットより王子が主役の印象。ダンサーのスキルは高いが、ソロでの見せ場は少なく、群舞のスピード感が心地よかった。振り付けはクラシックの基本がベースで、足首をフレックスにしたり、床を転がったりするところにコンテらしさが感じられた。様式美より、心情描写を重視するようで、ただ見つめ合うようなシーンが多かった。
客席はまばら。興味深い舞台だったが、舞台装置や衣装のシンプルさなどを考えると、SS席2万5000円はお高い。録音にして値段を下げたらとも思ったが、沈黙の多い演出上、生演奏は必須なのかなぁ。
2019年9月20日金曜日
9月19日 きたまり/KIKI KIKI KIKI新作ダンス公演「復活」
マーラーの交響曲を踊るプロジェクトの第4弾。公開リハーサルを所見。交響曲第2番ハ短調「復活」の約90分を3人の女性ダンサーが踊り切った。
はじめのソロは山田せつ子。もがくような、言い方悪いけど身体障害者のような身体の使い方。苦手だと思ったら、プロフィールに笠井叡に舞踏を師事したとあり納得。
きたまりが登場した2場目からは楽しめた。きたと斉藤綾子のデュオは交差する対角線上に2人が行きつ戻りつしながら、両手を掲げる。祈るような、何かを捧げるような神秘を感じさせる。3場のきたのソロは弾むようなキレのある動き。その後、きたと山田のデュオ、3人での踊りと続く。曲が盛り上がったところで、逆に淡々と歩いたかと思えば、斉藤が激しく回ったりと緩急のある振り付け。
舞台後ろのスクリーンに、マーブルアートのような映像が流れる。刻々と変わる色と形。録画かと思ったら、仙谷彬人のライブのパフォーマンスだった。
はじめのソロは山田せつ子。もがくような、言い方悪いけど身体障害者のような身体の使い方。苦手だと思ったら、プロフィールに笠井叡に舞踏を師事したとあり納得。
きたまりが登場した2場目からは楽しめた。きたと斉藤綾子のデュオは交差する対角線上に2人が行きつ戻りつしながら、両手を掲げる。祈るような、何かを捧げるような神秘を感じさせる。3場のきたのソロは弾むようなキレのある動き。その後、きたと山田のデュオ、3人での踊りと続く。曲が盛り上がったところで、逆に淡々と歩いたかと思えば、斉藤が激しく回ったりと緩急のある振り付け。
舞台後ろのスクリーンに、マーブルアートのような映像が流れる。刻々と変わる色と形。録画かと思ったら、仙谷彬人のライブのパフォーマンスだった。
2019年9月18日水曜日
2019年9月16日月曜日
9月15日 九月花形歌舞伎
「東海道四谷怪談」
愛之助の民谷伊右衛門、七之助のお岩、中車の直助という、いずれも初役の顔合わせ。
愛之助の伊右衛門は低い声が良く、悪の格好良さを保ち色悪として十分の出来。2幕でお岩を嬲る残酷さ。仁左衛門の伊右衛門と比べると、凄みに欠けるが、予想を上回った。中車の直助とも息のあった様子で、花道で悪巧みをするところは悪友のよう。
七之助は1幕、2幕、3幕と違った顔。武家の娘らしいキリリとした美しさから、病み弱った様子。力ない話し方は亡き勘三郎を思わせる。薬を飲むところはくど過ぎず。「これが私の顔かいなぁ」は哀しみの中に恨みが透ける。3幕はもはや化け物と化し、ケケケッと不気味な笑い。早替りも鮮やかで、与茂七のスッキリとした二枚目ぶりがいい。小平は勘九郎に似てた。
中車は小悪党ぶりが板に付く。
宅悦の千次郎が大健闘。お岩と2人の長場面も堂々と渡り合った。
幕開きと3幕の途中、舞台転換時に亀蔵が舞台番役で解説。忠臣蔵の外伝であることや、省略した三角屋敷のあらすじ。2幕終わりに出てきた壱太郎がお袖でなく、小平女房であるとの説明がありありがたし。危うくお袖だと思ってたよ…。
愛之助の民谷伊右衛門、七之助のお岩、中車の直助という、いずれも初役の顔合わせ。
愛之助の伊右衛門は低い声が良く、悪の格好良さを保ち色悪として十分の出来。2幕でお岩を嬲る残酷さ。仁左衛門の伊右衛門と比べると、凄みに欠けるが、予想を上回った。中車の直助とも息のあった様子で、花道で悪巧みをするところは悪友のよう。
七之助は1幕、2幕、3幕と違った顔。武家の娘らしいキリリとした美しさから、病み弱った様子。力ない話し方は亡き勘三郎を思わせる。薬を飲むところはくど過ぎず。「これが私の顔かいなぁ」は哀しみの中に恨みが透ける。3幕はもはや化け物と化し、ケケケッと不気味な笑い。早替りも鮮やかで、与茂七のスッキリとした二枚目ぶりがいい。小平は勘九郎に似てた。
中車は小悪党ぶりが板に付く。
宅悦の千次郎が大健闘。お岩と2人の長場面も堂々と渡り合った。
幕開きと3幕の途中、舞台転換時に亀蔵が舞台番役で解説。忠臣蔵の外伝であることや、省略した三角屋敷のあらすじ。2幕終わりに出てきた壱太郎がお袖でなく、小平女房であるとの説明がありありがたし。危うくお袖だと思ってたよ…。
0915 パルコ・プロデュース2019「人形の家 Part2」
「人形の家」の15年後。女流作家として成功したノラが家に帰り、夫や乳母、娘と対峙する。
ノラと乳母、ノラと夫、ノラと娘…と二人芝居が連続する構成で、役者の言葉の力が試される芝居だ。ノラの永作博美は成功した女の自信と、その地位を奪われそうな不安、危うさを感じさせる。夫トルヴァルの山崎一はちょっと情けない中年男を好演。
ノラの発言には共感できるところも、そうでないところもあるが、当時のノルウェーでは妻の側から離婚できないというのに驚いた。
2019年9月15日日曜日
9月14日 九月新派公演
「黒蜥蜴」
緑川夫人編とのことで、約1時間の短縮版。ホテルでの誘拐未遂から通天閣での引き渡しまで。喜多村緑郎が幕開きと中盤に講釈師に早変わりし、話を補う。
喜多村の明智小五郎ははまり役。スラリとした容姿が格好良く、雪之丞の黒蜥蜴とも好相性。2人でタンゴを踊るところなどは息をあわせてノリノリの様子。通天閣で追っ手から逃げるところは、生き別れた双子という2人が惹かれ合う様がドキドキさせる。
喜多村は長い槍?を振り回す立ち回りで、取り落すミスがあったが、照れ笑いが見られて得した気分だった。
河村有季のお嬢様が、可憐なだけでなく、ヒステリーを起こすわがままぶりも可愛いかった。
「家族はつらいよ」
山田洋次演出のホームランドラマ。役者がみな達者なので不足はないが、どこかで見たことあるような話。昭和感が強く、現代の観客には共感しにくいのでは。
水谷八重子が可愛らしいお婆ちゃん、波乃久里子が世知に長けた居酒屋のママ役で共に説得力のある演技。
長男役の喜多村が、打って変わったダメな亭主ぶり。芸域が広い。税理士の長女役の瀬戸摩純がいい味出してた。
緑川夫人編とのことで、約1時間の短縮版。ホテルでの誘拐未遂から通天閣での引き渡しまで。喜多村緑郎が幕開きと中盤に講釈師に早変わりし、話を補う。
喜多村の明智小五郎ははまり役。スラリとした容姿が格好良く、雪之丞の黒蜥蜴とも好相性。2人でタンゴを踊るところなどは息をあわせてノリノリの様子。通天閣で追っ手から逃げるところは、生き別れた双子という2人が惹かれ合う様がドキドキさせる。
喜多村は長い槍?を振り回す立ち回りで、取り落すミスがあったが、照れ笑いが見られて得した気分だった。
河村有季のお嬢様が、可憐なだけでなく、ヒステリーを起こすわがままぶりも可愛いかった。
「家族はつらいよ」
山田洋次演出のホームランドラマ。役者がみな達者なので不足はないが、どこかで見たことあるような話。昭和感が強く、現代の観客には共感しにくいのでは。
水谷八重子が可愛らしいお婆ちゃん、波乃久里子が世知に長けた居酒屋のママ役で共に説得力のある演技。
長男役の喜多村が、打って変わったダメな亭主ぶり。芸域が広い。税理士の長女役の瀬戸摩純がいい味出してた。
2019年9月13日金曜日
0913 劇団太陽族「辻の詩、風邪を待つ」
戦後の広島で始められたという辻詩と、伊勢志摩のかつての売春が行われていた島を結び、物語を造形。
反戦をかかげ、活動する四国五郎と山際は同士の峠三吉を島で待つ。が、なぜか峠は現れず。峠を待ちきれず、四国が演説を打つのだが、現政権への批判が露骨。
借金をかかえ、春を売る女たちの悲哀。見受けを餌に共産主義者を追う刑事に利用される女は最後に刑事を海へ突き落として留意を下げたが、戦争で兄を亡くした若い女は逃げ切れず。世の不条理を描きたかったのだろうか。
反戦をかかげ、活動する四国五郎と山際は同士の峠三吉を島で待つ。が、なぜか峠は現れず。峠を待ちきれず、四国が演説を打つのだが、現政権への批判が露骨。
借金をかかえ、春を売る女たちの悲哀。見受けを餌に共産主義者を追う刑事に利用される女は最後に刑事を海へ突き落として留意を下げたが、戦争で兄を亡くした若い女は逃げ切れず。世の不条理を描きたかったのだろうか。
0912 ヨーロッパ企画「ギョエー!旧校舎の77不思議」
使われなくなった旧校舎で起こる怪奇現象。舞台に仕掛けを施したり、ラジコンを使ったりといろいろ工夫しているが、77個となると無理があるものも。客演の祷キララが神秘性のある美少女だった。
2019年9月10日火曜日
0910 至高の華
藤間勘十郎オンステージだった。
「二人三番叟」
若柳吉蔵親子共演。息子は今どきの若者っぽいひょろりとした体躯。少し猫背気味に見える。吉蔵が上手く見えた。
「二人静」
勘十郎、井上安寿子に、梅若実玄祥の語り部、大槻裕一の謡。昨秋、玄祥の急病でできなかった親子共演を実現。大槻能楽堂より凝った照明。藤間流の派手な踊りと京舞の抑制された動きの対比が興味深い。後半、2人が同じ狩衣を纏うのだが、安子がよく似合った。
「双子隅田川」
勘十郎が惣太、梅丸が唐糸の夫婦役で、こってり芝居をするのだが、正直しんどかった。発声は良く、セリフは決して下手ではないのだが、役者としては華が欠けるのだと思う。踊りなら上手さで魅せられるけど。
勘十郎の息子、藤間雄大が梅若丸役で、幼いせいかセリフが怪しいが、所作が決まるのは血筋ゆえか。
後見とあった國矢が人買い役で登場。
天狗は誰だったのかと思ったら、尾上右近だったらしい。
純矢ちさとら元ジェンヌの踊りは華やか。
ラストは玄祥が天狗で現れ、三世代が揃った。
「二人三番叟」
若柳吉蔵親子共演。息子は今どきの若者っぽいひょろりとした体躯。少し猫背気味に見える。吉蔵が上手く見えた。
「二人静」
勘十郎、井上安寿子に、梅若実玄祥の語り部、大槻裕一の謡。昨秋、玄祥の急病でできなかった親子共演を実現。大槻能楽堂より凝った照明。藤間流の派手な踊りと京舞の抑制された動きの対比が興味深い。後半、2人が同じ狩衣を纏うのだが、安子がよく似合った。
「双子隅田川」
勘十郎が惣太、梅丸が唐糸の夫婦役で、こってり芝居をするのだが、正直しんどかった。発声は良く、セリフは決して下手ではないのだが、役者としては華が欠けるのだと思う。踊りなら上手さで魅せられるけど。
勘十郎の息子、藤間雄大が梅若丸役で、幼いせいかセリフが怪しいが、所作が決まるのは血筋ゆえか。
後見とあった國矢が人買い役で登場。
天狗は誰だったのかと思ったら、尾上右近だったらしい。
純矢ちさとら元ジェンヌの踊りは華やか。
ラストは玄祥が天狗で現れ、三世代が揃った。
2019年9月8日日曜日
2019年9月7日土曜日
0907 柿食う客「御披楽喜」
恩師の13回忌に集まったかつてのゼミの同窓生13人。早口のセリフと身体を使った表現が怒涛のように押し寄せる、パワーのある舞台。めちゃくちゃやっているようで、13人のキャラクターがくっきり描かれているのが面白い。コミュニケーションに難のある塗り絵作家?の男が、いつのまにか花道から退場していて、何か驚く仕掛けがあるのかと思ったら、しれっと舞台に戻っていたのが少し期待はずれだった。
セットを組まず、永楽館の舞台うらの楽屋を剥き出しで見せつつ、照明を駆使して場面の変化を出していたのがユニーク。
セットを組まず、永楽館の舞台うらの楽屋を剥き出しで見せつつ、照明を駆使して場面の変化を出していたのがユニーク。
0907 うさぎストライプ「ゴールデンバット」
昭和生まれの地下アイドル(?)の女が、池袋の路上で歌う老女と出会い、美空ひばりのような歌手を目指して上京した老女の過去を、自身のアイドル人生をオーバーラップさせながら紐解く。
喪服の似合う未亡人アイドルとして、昭和歌謡を歌うのが、地下アイドルのライブさながら。一人芝居で1時間あまりを引っ張った菊池佳南が達者だった。
喪服の似合う未亡人アイドルとして、昭和歌謡を歌うのが、地下アイドルのライブさながら。一人芝居で1時間あまりを引っ張った菊池佳南が達者だった。
0907 ホエイ「或るめぐらの話」
山田百次による一人芝居。メチルアルコールのせいで全盲になった男の独白で、壺阪を聞いて自分も崖から飛び降りようとしたところを、寺の僧侶に救われる。全編津軽弁なのだが、マイルドなのか意外と意味は理解できた。
0907 青年団「東京ノート・インターナショナルバージョン」
第0回豊岡演劇祭で所見。近未来の日本が舞台。戦禍にある欧州から著名な絵画が日本の美術館に避難し、名画が一堂に見られると様々な人が訪れる。日本人、韓国人、日本で暮らす台湾人、遺産で手に入った絵画を寄贈するために訪れたフィリピン人、タイからの留学生、美術館で働くアメリカ人とロシアから帰化した人…。7ヶ国語が入り混じり、ただでさえ混乱するところへ、音響のためか日本人役者のセリフが聞き取れず、英語字幕で意味を確認するというややこしいことをしたので、余計に混乱した。
登場人物の多くが当たり前のように複数の外国語を操るのに違和感があった(ご都合主義的?)が、近未来の予想なのだろうか。
登場人物の多くが当たり前のように複数の外国語を操るのに違和感があった(ご都合主義的?)が、近未来の予想なのだろうか。
0906 虚空旅団「ボイス トレーニング」
2年前の舞台の再演だが、煮詰まってないように感じた。それぞれに問題をか変えているらしい登場人物の誰一人として問題が解決していないようで、モヤモヤ。講師役の姉と母が本音で話して決定的に決裂してしまった、言ってはならないことって?とか、話し方講座の残り2回はどうなったの?とか。モリカケ問題を匂わせるセリフで「人が死んでるのにすぐ忘れる」とか、行き当たりばっかりの行政に対して「こんなだから文化政策があかんねん」と言わせたりとか、政治的なセリフも気になった。
2019年9月5日木曜日
0904 地点「だれか、来る」
アンダースローの地下劇場をぐるりと囲む客席の中にも役者が座る椅子があり、役者たちが入れ代わり立ち代わり現れる。断片に切り刻まれたセリフが四方八方から語り、時には会場の外からも声が響く。誰かが来るのか、分からないまま終演。
2019年9月4日水曜日
0903 空晴「明日の遠回り」
住宅地にあるような公園に隣接した喫茶店。客演の林英世は離婚して以来、しばらく訪れていなかった町へ久しぶりにやってきた妙齢の女。8歳年下の婚約者を弟に紹介するため、喫茶店でまちあわせているらしい。腐れ縁の元同僚(岡部尚子)と再会し、遠慮のない会話から、共に子どもがおらず、離婚の原因が子供を持つかで意見の相違があったらしいことが匂わされる。
公園で遊ぶ子供を殴ったりつねったりする輩が出没し、警察が警戒しているなか、犯人と間違えられる不審な男や、婚約者が詐欺師と間違われたり、最後は捕まった犯人が女だったと分かり、もしや…と思わせたりと、誤解や勘違いで笑わせるのはいつもの空晴。
夫婦間で子どもをもつか、あるいは、女として子を産むべきかというテーマは多分、作・演の岡部自信の関心事なのだろうが、少し踏み込み方が足りない気がした。おそらく、作者自身のなかで煮詰まっていないのでは。
公園で遊ぶ子供を殴ったりつねったりする輩が出没し、警察が警戒しているなか、犯人と間違えられる不審な男や、婚約者が詐欺師と間違われたり、最後は捕まった犯人が女だったと分かり、もしや…と思わせたりと、誤解や勘違いで笑わせるのはいつもの空晴。
夫婦間で子どもをもつか、あるいは、女として子を産むべきかというテーマは多分、作・演の岡部自信の関心事なのだろうが、少し踏み込み方が足りない気がした。おそらく、作者自身のなかで煮詰まっていないのでは。
2019年9月2日月曜日
9月1日 秀山祭九月大歌舞伎 夜の部
「寺子屋」
寺入りはなしで、手習いする子らが並ぶ幕開き。涎くりは鷹之資。若いから仕方ないが、もう少し面白みがほしい。丑之助の菅秀才は鷹揚な高貴さがあるが、セリフが不安なのかだんだん声が小さくなる。
幸四郎が源蔵。登場から重々しさがあり、深刻な様子。児太郎の戸波は若いながら健闘。吉右衛門の松王はやはり猫背気味に見え、作病の咳払いが重病人のよう。菊之助の千代は落ち着いた美しさ。源蔵との立回りでは、道具箱をらひっくり返して中身が落ちるのではなく、蓋で刀を受けて、改めて箱の中から経帷子、旗を取り出す手順だった。
「勧進帳」
仁左衛門の弁慶に幸四郎の冨樫。
仁左衛門は言うまでもなく、気持ちのこもった熱演。勧進帳読み上げ、山伏問答の緊迫感、酒席はおどけ過ぎないのもいい。最後の花道での飛び六方の前は、息を整えていた様子で、六方はやや短め?だが、気迫の伝わる一幕だった。
幸四郎の富樫は、仁左衛門に対峙して力の入った演技。孝太郎の義経、千之助が駿河次郎と三世代共演も嬉しい。千之助は片岡八郎の萬太郎と並んでも小柄ながら、凛々しさがあった。
「松浦の太鼓」
季節外れの忠臣蔵外伝は三世中村歌六追善。米吉のお縫が可憐。
寺入りはなしで、手習いする子らが並ぶ幕開き。涎くりは鷹之資。若いから仕方ないが、もう少し面白みがほしい。丑之助の菅秀才は鷹揚な高貴さがあるが、セリフが不安なのかだんだん声が小さくなる。
幸四郎が源蔵。登場から重々しさがあり、深刻な様子。児太郎の戸波は若いながら健闘。吉右衛門の松王はやはり猫背気味に見え、作病の咳払いが重病人のよう。菊之助の千代は落ち着いた美しさ。源蔵との立回りでは、道具箱をらひっくり返して中身が落ちるのではなく、蓋で刀を受けて、改めて箱の中から経帷子、旗を取り出す手順だった。
「勧進帳」
仁左衛門の弁慶に幸四郎の冨樫。
仁左衛門は言うまでもなく、気持ちのこもった熱演。勧進帳読み上げ、山伏問答の緊迫感、酒席はおどけ過ぎないのもいい。最後の花道での飛び六方の前は、息を整えていた様子で、六方はやや短め?だが、気迫の伝わる一幕だった。
幸四郎の富樫は、仁左衛門に対峙して力の入った演技。孝太郎の義経、千之助が駿河次郎と三世代共演も嬉しい。千之助は片岡八郎の萬太郎と並んでも小柄ながら、凛々しさがあった。
「松浦の太鼓」
季節外れの忠臣蔵外伝は三世中村歌六追善。米吉のお縫が可憐。
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