解説は希。桜丸切腹の段はタイトルで内容が分かってるといいながら、「桜丸がどうなるか観てのお楽しみ」というのはおかしいだろう。もうちょっと気の利いたこと言えないものか。
「茶筅酒の段」は芳穂・勝平。勝平の三味線はくっきりしてていいなあ。
「喧嘩の段」は希・清馗。オクリであれっというミスタッチがあり、不安な出だし。勇壮な喧嘩の場面はこの人のニンではないように思うのだが、そうも言ってられないのか。頑張っているのはよく分かるのだが、松王の低音がクッキーモンスターか何かのよう。
人形は玉助が梅王。右手を持ち替えるときにもたついたのが目立った。松王の玉男と並ぶと未熟さが目立つ。喧嘩だから派手でナンボかもしらんが、人形よりドヤ顔が前に出るのもどうかと思う。八重の勘弥を見ていて妙な色っぽさを感じた。八重って幼さの残る女房かと思っていたので新鮮だった。
「桜丸切腹の段」は千歳・富助。千歳太夫の芸が大きくなっている気がする。もう切場語りになっていいのではないだろうか。プログラムのインタビューもそんな扱いだった。白太夫の嘆き、八重の悲痛がくっきり描かれ、心が揺さぶられる。節もコトバも鮮やかで、義太夫節を聞いたという満足感があった。
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