「パキータ」
セットなしで踊りだけを魅せるのはハードルが高いが、懸命さが感じられて好印象。
「ル・レーヴ」
1890年初演の日本が舞台の幻のバレエ。漁村らしい、水辺の村は濃い緑や紫など浮世絵を思わせる色彩で描かれる。甚兵衛のような上衣に細身のパンツというスタイルで現れた主役のタイコ(カール・パケット)は村人だから仕方ないとはいえ、あまりにも質素な衣装だ。金髪を髷風に結わえているのだが、金髪や彫りの深い顔立ちが違和感を覚えるが、初演は全て西洋人だったわけで、ある意味当時はこんな風だったのかと思い直す。ヒロイン、ダイタはオニール八菜。細く伸びた腕にスラリとした脚が美しい。ピンクの上衣は少しでも華やかさを出すためだろうが、チグハグさが勝ったか。2幕の晴着は既製品のキモノのよう。踊るときに前がはだけるのがいただけない。横にスリットを入れた方がよかったのでは。
衣装が良かったのは、イザナミ。白地に赤や緑、青といった原色が配され、奈良時代を思わせる古風なスタイル。踊ると袖や裾が翻ってきれいだった。サクマも黒の裃で、ちょっと悪い男の魅力。
振り付けは正当なスタイルで悪くはないが、際立つものもない。腕を隠した衣装でもなお美しいオニールのスタイルは特筆すべきか。
肝心の大扇のセットは光線で代用されたが、光をかき分けるようにイザナミが登場するのはいい効果だった。
45分ほどの小品としては楽しめたし、再演したら良くなりそう。
「バヤディール」
3幕のみで、オニールのガムザッティにパケットのゾロル。オニールの美しさは文句なしだが、パケットはお疲れ?動きにキレがなく、体つきもモッサリして見えた。群舞で子どもの一団やら、ゾロゾロ出てきて、人数の豪華さがすごかった。
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