火山の噴火で家族を失った遺族たちが疑似家族として暮らす。隣り合う2軒の一方には1人の青年と2人の娘という子ども世代と3人の父親、もう一方には父と娘。災害から20年たって、それぞれの関係性に変化が生まれようとする。結成30年の記念とすると、手放しで喜んでいるばかりではないような。ずっと変わらずにいられたらいいけれど、変わることも悪くない。すれ違いや勘違いで笑わせるのはいつものMONOらしい。
息子役の渡辺啓太がよく目立った。妹の洗濯物を間違えてしまってうろたえたり、すねて部屋に引きこもったり、東京へ行った兄との確執とか、物語のカギとなる役どころ。大きな体で陽性な雰囲気が好印象。父世代の3人、水沼健、奥村康彦、土田英生は幼馴染がそのまま大人になったような関係が、実際のMONOメンバーと重なる。家事一切を引き受けて家族への思い入れが強い娘の高橋明日香、ちょっと拗ねて家族から離れたい石丸真菜美が好対照。
もう一方の父(金替康博)と娘(立川茜)は夫婦みたいとからかわれるくらい仲のいい父娘。こういう関係ってどこかにいそうと思わせる。
2019年3月24日日曜日
2019年3月22日金曜日
0320 狂言風オペラ「フィガロの結婚」
昨年上演の好評をうけての再演を大槻能楽堂で観た。
正直、昨年の初見のほうが面白かったのは、能楽堂の舞台が一因か。後座のあたりに衝立替わりの白い布を張って視界が遮られ、義太夫の床は笛柱の前あたり、管楽八重奏は橋掛かりにズラリと並ぶ。狭い空間に押し込められているようで、窮屈に見えた。冒頭、山本善之が黒子の格好で拍子木を打ちながら登場するのだが、音色が安定しなくて、音響のいい能楽堂ではちょっとうるさかった。
再演でこなれてきたせいか、蘭丸(山本)が吉本興業の「こんにちは」のギャグをやって、お花(茂山茂)に「そのクオリティーでようやった」と突っ込まれたり、三味線の友之助と役者の絡みが増えていたり。
再演でこなれてきたせいか、蘭丸(山本)が吉本興業の「こんにちは」のギャグをやって、お花(茂山茂)に「そのクオリティーでようやった」と突っ込まれたり、三味線の友之助と役者の絡みが増えていたり。
3月17日 三月大歌舞伎 夜の部
「盛綱陣屋」
仁左衛門の重厚な義太夫狂言を堪能した。口跡の良さ、位取りの確かさ、心情表現の的確さ。スリリングな展開に息を呑む。圧巻は首実検。表情だけで雄弁に心情を語るのは、ト書きが聞こえてくるよう。
小四郎の勘太郎が健闘。多くのセリフ、所作を良くこなした。願わくば、セリフの先に健気さとか、哀れさが滲み出れば。名子役というには一歩足りなくて思った。今日初めて気づいたのだが、微妙に自害を勧められたときに、せめて武勲を立ててから、もっと生きたいとせがんだのは、高綱の身代わり首を成功させるため?恐ろしい子だ…。
微妙の秀太郎はさすが。小四郎を気遣い、優しく撫でてあげるところにグッときた。
寺島眞秀の小三郎はかわいいが、小四郎ほど難易度は高くなさそう。
四天王で一人誰だろうと思ったら、米吉だった。立役はあまりしないので見違えた。
「雷船頭」
猿之助の女船頭は踊りの名手らしく軽快。雷は弘太郎だが、あの化粧では誰だか分からず。
「弁天娘女男白浪」
幸四郎の弁天は、うーん…。出だしから可愛らしくなく、女に見えない。「尻尾を出しちまうぜ」からの豹変ぶりが際立たず、台詞回しもスカッとした気持ち良さが足りない。
猿弥の南郷に期待したのだが、猿弥らしさがなくてつまらない。高麗屋にセーブされたのかしら。
白鴎の日本駄右衛門はごにょごにょするセリフが聞きづらい。
勢揃いは一同並んで捕手が向かってくるところで幕。立ち回りはなかった。
仁左衛門の重厚な義太夫狂言を堪能した。口跡の良さ、位取りの確かさ、心情表現の的確さ。スリリングな展開に息を呑む。圧巻は首実検。表情だけで雄弁に心情を語るのは、ト書きが聞こえてくるよう。
小四郎の勘太郎が健闘。多くのセリフ、所作を良くこなした。願わくば、セリフの先に健気さとか、哀れさが滲み出れば。名子役というには一歩足りなくて思った。今日初めて気づいたのだが、微妙に自害を勧められたときに、せめて武勲を立ててから、もっと生きたいとせがんだのは、高綱の身代わり首を成功させるため?恐ろしい子だ…。
微妙の秀太郎はさすが。小四郎を気遣い、優しく撫でてあげるところにグッときた。
寺島眞秀の小三郎はかわいいが、小四郎ほど難易度は高くなさそう。
四天王で一人誰だろうと思ったら、米吉だった。立役はあまりしないので見違えた。
「雷船頭」
猿之助の女船頭は踊りの名手らしく軽快。雷は弘太郎だが、あの化粧では誰だか分からず。
「弁天娘女男白浪」
幸四郎の弁天は、うーん…。出だしから可愛らしくなく、女に見えない。「尻尾を出しちまうぜ」からの豹変ぶりが際立たず、台詞回しもスカッとした気持ち良さが足りない。
猿弥の南郷に期待したのだが、猿弥らしさがなくてつまらない。高麗屋にセーブされたのかしら。
白鴎の日本駄右衛門はごにょごにょするセリフが聞きづらい。
勢揃いは一同並んで捕手が向かってくるところで幕。立ち回りはなかった。
3月16日 三月大歌舞伎 昼の部
「女鳴神」
本編の鳴神は上人の煩悩、人間の弱さを突くが、女鳴神は女の純情に付け入って騙すというのが。雲絶間助が酷い男にしか見えない。
孝太郎は生き別れた恋人に再開してからのいじらしさ、可愛らしさがあるものの、残念かな美男美女ではないので接吻が色っぽくない。
ぶっかえり後は口元がへの字に結んでいるようで、どこか悲しそう。
注連縄を切って飛び立つ竜は、そこそこ大きいのが3頭いた。
「傀儡師」
あまり印象に残らなかった。幸四郎は踊りの名手というほどではないので、踊り分けの面白さが出ていない。あの広い舞台を一人で持たせるのは厳しい。
「傾城反魂香」
あまり出ない高島館、竹藪から。後の虎の正体や、雅楽之助が何者かがよくわかる。
鴈治郎の雅楽之助は手足が短いので立ち回りがちょっとバタバタして見える。銀杏の前の米吉が可憐な赤姫。狩野元信の幸四郎は貴公子然としてよく似合う。
土佐将監閑居は白鴎の又平が、ただのどもりでなくて、歯抜けのようなフガフガ発音で何を言っているのか分からず、ちょっと足りない人みたい。同情しにくいのは可愛げがないからか。
猿之助のおとくは、前に観たときよりあだっぽい感じで、ちょっと冷たそう。絵を描き終えた又平が筆を手離せなくなったとき、手をさすってあげるくだりは情が感じられた。
虎は竹藪のところは2人がかりの着ぐるみでよく動いたが、ここでは剥製のような虎。同じ虎に見えないのは逆効果ではなかろうか。
本編の鳴神は上人の煩悩、人間の弱さを突くが、女鳴神は女の純情に付け入って騙すというのが。雲絶間助が酷い男にしか見えない。
孝太郎は生き別れた恋人に再開してからのいじらしさ、可愛らしさがあるものの、残念かな美男美女ではないので接吻が色っぽくない。
ぶっかえり後は口元がへの字に結んでいるようで、どこか悲しそう。
注連縄を切って飛び立つ竜は、そこそこ大きいのが3頭いた。
「傀儡師」
あまり印象に残らなかった。幸四郎は踊りの名手というほどではないので、踊り分けの面白さが出ていない。あの広い舞台を一人で持たせるのは厳しい。
「傾城反魂香」
あまり出ない高島館、竹藪から。後の虎の正体や、雅楽之助が何者かがよくわかる。
鴈治郎の雅楽之助は手足が短いので立ち回りがちょっとバタバタして見える。銀杏の前の米吉が可憐な赤姫。狩野元信の幸四郎は貴公子然としてよく似合う。
土佐将監閑居は白鴎の又平が、ただのどもりでなくて、歯抜けのようなフガフガ発音で何を言っているのか分からず、ちょっと足りない人みたい。同情しにくいのは可愛げがないからか。
猿之助のおとくは、前に観たときよりあだっぽい感じで、ちょっと冷たそう。絵を描き終えた又平が筆を手離せなくなったとき、手をさすってあげるくだりは情が感じられた。
虎は竹藪のところは2人がかりの着ぐるみでよく動いたが、ここでは剥製のような虎。同じ虎に見えないのは逆効果ではなかろうか。
0315 劇団新感線「偽義経冥界歌」
今まで観た新感線の作品の中では一番面白かったのだが、2幕目になるとやはり長いと感じてしまった。物語があまり進まないまま殺陣が延々と続くのだもの。
効果音と照明に惑わされているような気もするが、筋立てが明快で、話に引き込まれた。主役の源九郎義経役の生田斗真は、おバカキャラを作りすぎに感じたが、スピード感のある殺陣を良くこなし、舞台を引っ張った。黄泉津の方のりょうは怪しくも美しい存在感。静歌の藤原さくらの憂いを帯びた歌声が印象的で、舞台を引き立てた。
効果音と照明に惑わされているような気もするが、筋立てが明快で、話に引き込まれた。主役の源九郎義経役の生田斗真は、おバカキャラを作りすぎに感じたが、スピード感のある殺陣を良くこなし、舞台を引っ張った。黄泉津の方のりょうは怪しくも美しい存在感。静歌の藤原さくらの憂いを帯びた歌声が印象的で、舞台を引き立てた。
0314 キューティーブロンド
神田沙也加がキュートな金髪娘を体現。日本人離れした金髪やピンクの衣装が違和感なかった。役に合った可愛い声で、歌唱にも安定感がある。
冒頭の女性陣のキンキンした声に閉口したが、物語が進むにつれましにはなってきた。が、金髪への偏見を覆す話なのに、ゲイや郵便配達のマッチョ男の描き方がステレオタイプなのはいかがなものか。
冒頭の女性陣のキンキンした声に閉口したが、物語が進むにつれましにはなってきた。が、金髪への偏見を覆す話なのに、ゲイや郵便配達のマッチョ男の描き方がステレオタイプなのはいかがなものか。
2019年3月12日火曜日
0311 唐版 風の又三郎
詩的なセリフ、登場人物が入り乱れる混とんとした展開は唐十郎らしいのだが、アングラらしい淫靡な雰囲気が乏しく、とても健康的だったのは、エリカ役の柚希礼音のキャラクターゆえか。赤いスリップ姿になっても、女っぽくならず、中性的というか、色気を感じなかった。又三郎を名乗るところは元男役を生かしたのかもしれないが、背が高いせいもあって少年ぽくはない。
織部役の窪田正孝は飄々とした雰囲気がよく、エリカにひかれて別世界に迷い込んでしまったよう。唐の世界観に合っていた。ラストの飛行機に乗り込むところで足を引きずり、柚希が助けていたのは演出かと思っていたら、どうやらケガをしたらしい。カーテンコールでは柚希に肩を借り、片足飛びで登場していたので、結構重症なのかと心配。
2幕の航空学校のシーンで高田(丸山智己)に特別な感情を抱く少年役が目を惹くなあと思ったら、大鶴美仁音だった。3幕の花嫁姿でも存在感があった。
教授役の風間杜夫、三腐人の石井愃一、金守珍、六平直政というシニア組は紙おむつを履いたり、尻に菊の御紋をつけたりと振り切った演技でよくやるよと思った。北村有起哉の夜の男、山崎銀之丞の風の商人はちょっともったいない感じ。江口のりこの桃子も。
織部役の窪田正孝は飄々とした雰囲気がよく、エリカにひかれて別世界に迷い込んでしまったよう。唐の世界観に合っていた。ラストの飛行機に乗り込むところで足を引きずり、柚希が助けていたのは演出かと思っていたら、どうやらケガをしたらしい。カーテンコールでは柚希に肩を借り、片足飛びで登場していたので、結構重症なのかと心配。
2幕の航空学校のシーンで高田(丸山智己)に特別な感情を抱く少年役が目を惹くなあと思ったら、大鶴美仁音だった。3幕の花嫁姿でも存在感があった。
教授役の風間杜夫、三腐人の石井愃一、金守珍、六平直政というシニア組は紙おむつを履いたり、尻に菊の御紋をつけたりと振り切った演技でよくやるよと思った。北村有起哉の夜の男、山崎銀之丞の風の商人はちょっともったいない感じ。江口のりこの桃子も。
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