2026年7月17日金曜日

7月11日 英国ロイヤルバレエ団「ジゼル」

サラ・ラム、平野亮一ペア。 サラは一幕目は無邪気な村娘。アルブレヒトの誘いに恥じらう様子が可憐で愛らしい。平野のアルブレヒトは立派な体躯で、男らしくも貴族の傲慢さが滲む。バチルド一行に見つかったときは、知らぬふりを決め込むし。ジゼルが死んでからも、遺体に縋り付いたり、ヒラリオンに掴みかかったりするが従者に促されて意外とあっさり退場する。1幕の終わり、ジゼルと母だけが舞台に残るのは、喪失感が際立つ。 2幕はミルタのアネット・ブヴォリが細かなパドブレで滑るように登場し、一気に霊元の世界に引き込む。感情を露わにせず、冷酷というか、何を考えているのか分からない不気味さがある。サラは体重を感じさせない儚さで、無垢な魂。深い慈悲心でアルブレヒトを包み込むよう。平野アルブレヒトは何かを悟ったような自覚が感じられた。 ヒラリオンのヴァレンティノ・ズケッティは存外存在感が薄く、群舞もイマイチ揃ってない。音楽のテンポが速めなのも神秘性を損なった。

2026年7月12日日曜日

7月12日 英国ロイヤルバレエ団「ジゼル」

高田茜目当てでチケットを買ったので降板にがっかりしていたが、代役のフランチェスカ・ヘイワードがとても良かった。登場は、溌剌と、しかし素朴な村娘の風情で、ロイスのアプローチをかわすのも鬼ごっこを楽しむよう。狂乱の場面はいたいけ。ウィリーになってからは、少し大人びて、深い慈悲心でアルブレヒトを庇護するようだった。 アルブレヒトのセザール・コラレスは、支配階級ならではの傲岸さで、バチルドらに露見してからは知らぬふり。ジゼルの墓を訪れて死を悼むものの、ウィリーに襲われるとひたすら命乞い。踊りを命じられると、一部をジゼルが肩代わりしているように感じた。 ヒラリオンのアクリル瑠嘉は、粗野だけど、愛情深い男を好演。 ミルタのジュリア・ロスコーは前日のブヴォリに比べると俗っぽい。神経質そうな感じがした。

2026年7月10日金曜日

7月10回 素浄瑠璃の会

「妙心寺の段」を靖・燕二郎。 会場のせいか、音が遠くで鳴っているみたいで、響いてこない。三味線の音も出だしから軽い感じで、あれ?と思った。(アフタートークで鳴りがいいと言っていたので私だけ?)後半は手数も多く、掛け声も。 「道明寺の段」は呂勢・燕三。 引き出しから格調があり、厳かな雰囲気に引き込まれた。呂勢は覚寿に品格がある。菅丞相はもう少し重みが欲しいか。75分を全く飽きさせなかった。 アフタートークは反省会のようになってしまい、勉強会で何度か勤めた靖もできなかったところがいろいろあり、「ヤレ」というセリフは初菊が立ち上がって言うのにそうならなかったとか、初役の燕二郎は冷静でいなくてはいけないのに、手数が多くなる後半はテンパってしまったとか。呂勢は先人らの舞台に遠く及ばないと。経験したことを次に繋げたいとは、皆が言っていた。 なぜか嶋太夫の話題に。靖がメインで使っている鯉の見台は入門してすぐに嶋太夫からもらったそうで、「他の弟子はもらってない。師匠に愛されていた」と呂勢。燕三は20代の頃、千歳との勉強会で大曲ばかりやっていたら、「もっと身の丈に合ったものをやりなさい」と言われたとか、蝙蝠聚会で鳴門や柳、封印切の稽古をしてもらったとか。「お客さん稽古」(呂勢)で普段は言わないようなことまで丁寧に教えるので、弟子たちは隣の部屋で盗み聞きしてたそう。「世が世なら名人になっていたのに、最後は辞めさせられてしまって…」(燕三)と際どい発言まで。ただ、義太夫の技術は確かだったと言っていた。

2026年7月5日日曜日

7月5日 新国立劇場バレエ団 ダブル・ビル

「String SAGA」 振付の宝満直也によると、SAGAは冒険譚のサーガと「性」を掛けているのだそう。 撚る、張る、絡まる、弾く・紡ぐ、縺れる、織るのパートがシームレスにつながり、それぞれ特徴的な動きがダンサーの高い身体性で表現される。舞台を覆う薄い紗のような布は光沢があり、シャボン玉の膜のようにも見える。中で踊るダンサーの身体がシルエットになって幻想的。特に、冒頭、一人で布と戯れる小野絢子が印象的だった。 「暗闇から解き放たれて」 舞台上に白く光る雲のような、あるいはUFOのような物体が浮かび、未来を感じさせる。グレーを基調とするモノトーンの衣装もSF感をかもす。 前日にチケットを取ったら、隣が草刈民代でびっくり。

2026年7月4日土曜日

7月4日 七月大歌舞伎 昼の部

「元禄忠臣蔵」の小浜御殿を幕間で。 仁左衛門の綱豊卿は流石のセリフ術で、言葉が耳に心地よい。助右衛門にちょっと意地悪な言い方で何とか本音を聞き出そうとする駆け引きの妙。助右衛門は幸四郎で、何度も演じて手馴れているだけにセリフが型通りに感じるところも。 お清の莟玉が殿様のお気に入りらしい、初々しさ、健気さ。萬次郎の浦尾が憎たらしいお局を好演。 冒頭の女中たちの綱引きで、助っ人の千蔵がいい味出してた。