2023年6月16日金曜日
6月16日 イキウメ「人魂を届けに」
2023年6月14日水曜日
6月14日 六月大歌舞伎 夜の部
木の実からすし屋まで。仁左衛門の権太は何度も見ているしいいかなと思ったのだけど、やはり観てよかった。木の実で小せん、倅善太郎との家族愛が描かれるから、その後の悲劇がより深まる。子どもにせがまれて渋々家に帰ることにし、遊んでやったり、おぶってやったりする権太の子煩悩ぶりがほのぼの。吉弥の小せんもいい女房ぶり。子どもの笛の袋を権太が帯に挟むところでなぜか手間取ると(「今日に限ってうまくいかない」とぼやきあり)、自然に手伝ってあげて、息のあった様子。花道を引っ込むところの「瑞々しいなあ」のやり取りもいい。善太郎は歌昇次男の秀乃助。小柄でとても可愛く、サイコロを振るのを2回続けて失敗してしまうのも愛らしかった。
おかげで、すし屋で妻子を身代わりに引き連れてきてからの権太の表情から目が離せない。後ろを向いて涙を拭ったり、煙が目に染みたふりをしたり、何より最後の別れは言葉がないのに視線がとても雄弁。寄る年波で足取りがしんどそうに感じるところもあったけど、こんなに充実した舞台を見せてくれる人は他にない。
小金吾の千之助は、2回目のはずだが今ひとつ。若武者らしく見えないのは何故だろうと考え、緊張感が薄いからではないかと思った。
お里の壱太郎は、おとくと打って変わって若々しく華やいだ娘ぶり。セリフもいつものクセが薄く、可愛らしいお里だった。維盛は錦之助。おっとりとした優男ぶりがよく似合うが、弥助からの切り替えはそれほどでもなかった。弥左衛門の歌六はさすが。婆の梅花は上方の役者に比べるとあっさりめ。
川連法眼館は松緑の忠信。初めの真の忠信はいい感じで力が抜けてよかったが、狐忠信はいろいろと物足りない。動きが重たいし、セリフも地声(=高くない)でゆっくり話すので、狐らしい軽快さがないのだ。
義経は時蔵。気品あるいい義経だが、静が入って来るところで一瞥だにしないのなぜ⁇ 静は魁春で、なぜか秀太郎を思い出した。
最後はなぜか荒法師が3人だけで、ちょっと寂しい。
6月14日 六月大歌舞伎 昼の部(幕見)
評判なので幕見で。
中車の又平は正直まだまだ。セリフや所作は型をなぞっているようで、気持ちが入っていないように感じた。あまり表情に感情が出ておらず、どもりのもどかしさや、弟弟子に出世の先を越された悔しさが薄いというか、表面的な感じ。
一方、壱太郎之おとくはこってりと情に溢れ、夫をフォローする役さながら、義太夫狂言の世界を醸し出していた。こちの人のどもりと私の喋りで…のあたりで、猿之助のおとくを思い出した。習ったと言っていたけど、藤十郎から猿之助に教えたものだから、一つ飛んで成駒家の芸なんだよね。
団子の修理之介は颯爽とした好青年だが、セリフや所作はまだぎこちない。追い縋る又平を振り切るところは、峰打ちのようにダメージを与えないと。軽く当てただけでは無理でしょう。
歌六の将監に不足はないが、「片端のくせに」とか、指導者としてどうなの?と思う。将監女房でなく女中に寿猿。意外な配役だが、元気そうで嬉しい。
虎退治のところで、修理之介と共に又平も名乗り出て、2人で競うのを将監が修理之介に任せたり、出世の先を越された又平のことを農民たちが噂したり、というのはこれまで観たのと違うような…。澤瀉屋の型なのだろうか。
後段の又平住家は初めて観た。大津絵が描かれた襖?から絵の人物が出てきて立ち回り。笑也や猿弥ら澤瀉屋の役者がたくさん出てきて嬉しい限り。大向こうの1人が下の名前で声かけていたので、誰だかすぐにわかった。澤瀉屋だと誰やら分からないものね。
最後は出演者がずらりと並んで、口上。何を言うかと思ったら、この後の演目をお楽しみにみたいな感じで拍子抜け。
2023年6月11日日曜日
6月11日 The ABC of BUNRAKU
解説はフリーアナウンサーの八木早希と勘次郎ほか。流暢な英語でポイントを押さえた説明が分かりやすかった。会場から3人募って人形体験も。
「仮名手本忠臣蔵」
刃傷の段は芳穂・清志郎。小住と比べると意地悪さがあって、ちゃんと憎たらしい師直だった。清志郎は緊迫感のある演奏。
判官切腹は織・燕三。うーん。重々しい語りだが、何かが違う気がしてしまう。腹を切ってからも声が力強いのだな。燕三の三味線は的確。
城明け渡しは亘・錦吾。
人形は玉助の師直がオーバーアクション。大笑いの後半、口を開けていなかったのはなぜだろう。太夫は後半に向けて盛り上げているのに、合っていないのでは。判官は休演の清十郎に代わって勘彌。黒紋付を脱いで白装束になったところで、着物のしわを伸ばしているのがいいなと。しわくちゃだと緊張感がないと思う。
6月11日 大人のための文楽入門
解説は亘、清公、簑太郎。亘は裏門の台詞を使って語り分けを実演して見せたのだが、客席の反応は今ひとつ。いきなり「勘平さん、話はすっかり聞きました」とか言われても何のことやら分からないだろうし、子ども→町娘→姫→婆→侍という順も悪かったと思う。地声に近い侍から始めて違いを見せる方がわかりやすいと思った。
「仮名手本忠臣蔵」
殿中刃傷の段は小住・錦糸。悪くはないのだが、師直はもっと意地悪でないと。ねちっこくいじめないと判官がキレる理由がわからなくなってしまう。刃傷に及んでからのドタバタももっと畳み掛けるようなスピード感が欲しかった。やはり若手には難しいのかな。錦糸の三味線はいつもの安定感だったけど、フォローしきれず。
判官切腹の段は呂勢・藤蔵。これこれ、浄瑠璃らしい浄瑠璃。判官が息も絶え絶えのところは、声をコントロールしきれないようなちょっと不規則な音が混じってリアリテイあった。藤蔵の三味線は、さすがに唸り声が控えめで、緊迫感のある場面を描出。ただ、静かな場面で糸を繰る音が少し耳に触った。
人形は玉佳の若狭之助が爽やか。簑二郎の判官はちょっと地味。由良助の玉也は短い出番ながら抜群の安定感で場を引き締めた。茶道珍才は休演の簑之に代わって簑悠。
城明け渡しは御簾内で碩・燕二郎。声がよくでていた。
2023年6月8日木曜日
6月8日 ジャンポール・ゴルチエ「ファッション・フリーク・ショー」
2023年6月3日土曜日
6月3日 六月博多座大歌舞伎 夜の部
愛之助の団七はやはりいい。当代一と言ってもいいのでは(とはいえ、上方の団七をする人は他にあまりいないのだけれど)。
徳兵衛は菊之助。スッキリとした男前で、上方らしさはあまり感じなかったが、違和感がないのが大事。 三婦は鴈治郎。ちょっと三の線入ってる感じだけど、上方のいいおっちゃんという風情。
雀右衛門のお辰もよい。「こちの人が…」はさらりとしつつも、懐の大きさが感じられた。吉太朗の琴浦はぼんじゃりとして可愛らしく、歌女之丞のおつぎもよく似合っていた。
義平次は橘三郎。枯れた感じの憎らしいジジイ。泥場の立ち回りは少しあっさりした感じ。前の客席に泥水よけのビニールが配られたが、全く不要だった。団七の髷の捌きがうまくいかず、ゆるいポニーテールみたいなまま最後まで行ってしまった。殺しの型がいまいち締まらず残念。
菊之助が全く異なる二役を早変わりで。2列目センターという良席だったので、目が合うようでドキドキ、坊主姿のとき、薄手の羽織から褌のみの生尻が透けて見えて目のやり場に困った。
「三人吉三」
梅枝のお嬢は鳥屋口から数メートル出たところで立ち止まり、夜鷹に狙いを定めたことを示す演出。あまり客が見ていないところでも、細かく演じているのに感心した。女→男→女の変わり身も鮮やかで惚れ惚れ。お坊は萬太郎。口跡の良さはらしいけど、たっぱがもう少しあったらな。和尚の彦三郎はイケボで場をまとめた。