2021年初演時に観て、また観たいと思っていたので日帰りで参戦。のっけから引き込まれて、大いに充実。強行軍だったけど悔いはない。
再演ということだが、だいぶ印象は変わった。音楽をフルに使っている感じだし、ダンサーたちがより音に乗っていて、作品としての密度が上がった感じ。
功績大だったのは、初参加の二山治雄。オープニングの紗幕前のソロに始まり、誰よりも動いているのでは?というくらい踊りっぱなし。高い跳躍やシャープな回転、柔軟な身体性など高度なテクニックを遺憾なく発揮した。ミリオネアワルツだったか、井澤駿とアラセゴン対決みたいな場面があって、回転数や軸の安定性が素晴らしくて曲の途中で拍手が起こった。彼が加わったおかげで、主旋律が1本加わって音楽が重厚になった感じがした。男性陣の中では小柄で、少年っぽい雰囲気が妖精のよう。物語を進める狂言回し的な役割にも見えた。
紅一点の米沢唯は、よりダンスの見せ場が増えた感じ。男性陣を手玉に取る小悪魔っぷりがチャーミングで、二山とは姉弟のようでもあり、イタズラを仕掛ける共犯者みたいな雰囲気も。2人で踊るところはリフトは少ないのだけれど、技術を見せつけ合うような高度な振り付けを軽々とこなす。
音楽の繋ぎも洗練され、We Will Rock Youでは、男性4人が足踏みとクラップでリズムを刻んでから曲に繋げたり、ピアノの編曲を交えたり。 1時間あまりの舞台があっという間だった。
振付の福田圭吾は、バーテン役で登場。ポーズをとっているだけで笑いが起き、絶妙な間は大阪人のセンスなのか。
会場には福田の師、矢上久留美の姿も。立ち上がって拍手をされていたので、師匠の目から見ても満足の出来だったのでは。
2023年5月17日水曜日
5月7日 霜乃会本公演 霜華咲源平物語
源平をテーマに。タイトルは碩の案だとか。
茶道のお手前から始まり、源平にちなんだ道具の紹介。背後の生花もちなんで、紅白の芍薬や弟切草など。
浪曲は幸太の「弁慶」。かたりや啖呵が少なく、フシで物語を進める感じだつたのだが、旋律が単調に感じた。息が長いのは感心。
能は仕舞「巴」を林本大。衣擦れの音が聞こえるほどの至近距離。
碩と燕二郎は素浄瑠璃で「一谷嫩軍記 須磨浦の段」。懸命な演奏に好感が持てる 。
茶道のお手前から始まり、源平にちなんだ道具の紹介。背後の生花もちなんで、紅白の芍薬や弟切草など。
浪曲は幸太の「弁慶」。かたりや啖呵が少なく、フシで物語を進める感じだつたのだが、旋律が単調に感じた。息が長いのは感心。
能は仕舞「巴」を林本大。衣擦れの音が聞こえるほどの至近距離。
碩と燕二郎は素浄瑠璃で「一谷嫩軍記 須磨浦の段」。懸命な演奏に好感が持てる 。
最後は南龍の講談で「那須余一」。笑いを取り混ぜつつ、飄々とした語り。
2023年5月14日日曜日
5月14日 歌舞伎鑑賞教室
南座の鑑賞教室。今年の解説は南龍。講談師らしく滔々と歌舞伎や南座の歴史を紹介するのだが、出雲阿国のかぶき踊りが四条河原だったことが抜けてたのは惜しい。いつものように微妙にウソを混ぜての笑いをとるも、客受は微妙だった。
當志哉を交えて黒衣の役割、千太郎を交えて、歌舞伎の効果音や見栄などを解説。眼目は忠臣蔵の一場面を語る講談に合わせて、祐次郎、愛治郎が立ち回り。
「妹背山婦女庭訓 願絲縁苧環」
吉太郎のお三輪、りき彌の橘姫、千次郎の求女。
當志哉を交えて黒衣の役割、千太郎を交えて、歌舞伎の効果音や見栄などを解説。眼目は忠臣蔵の一場面を語る講談に合わせて、祐次郎、愛治郎が立ち回り。
「妹背山婦女庭訓 願絲縁苧環」
吉太郎のお三輪、りき彌の橘姫、千次郎の求女。
吉太郎の初々しさ、健気さと、りき彌のクールビューティーぶりが好対照。千次郎は珍しい白塗りの二枚目ぶりで、薄情な求女を好演。
花道の引っ込みで、苧環の糸が切れたことを知ったお三輪の失望、それでも求女を追いかける必死さが痛々しいほど。上方歌舞伎会の時も良かったけれど、さらに表現力が増したよう。
2023年5月6日土曜日
5月6日 KYOTOPHONIE KOKI NAKANO &MINOSHIRO YOSHIDA
現代音楽の中野公輝と簑紫郎のコラボ。「関寺小町」を題材に、新たに作曲したピアノ曲に合わせて人形が舞う。
ピアノはサンプリングした音源やピアノの中に手を入れて直接ピアノ線を弾いたり、押さえてミュートしたりする(内部奏法とか言ったか)手法が現代的なのか。初めの曲はピアノソロだったが、人形が出てきてからはこちらに気を取られてあまり印象に残ってないのだが、どの辺が関寺なのかピンと来なかった。現代音楽に造詣の深い人なら違う感想なのかも。
簑紫郎の関寺は仕草が普段以上に細かく動いていて引き込まれた。通常、1手で動くところ、3〜4手使っているような印象。関寺がひとくさり終わった後、若い娘の人形が傘を持って舞うので、若かりし日の小町かと思ったら、鷺娘なのだそう。なんで? アフタートークで転生後のようなことを言っていたが、しっくりこなかった。
ピアノはサンプリングした音源やピアノの中に手を入れて直接ピアノ線を弾いたり、押さえてミュートしたりする(内部奏法とか言ったか)手法が現代的なのか。初めの曲はピアノソロだったが、人形が出てきてからはこちらに気を取られてあまり印象に残ってないのだが、どの辺が関寺なのかピンと来なかった。現代音楽に造詣の深い人なら違う感想なのかも。
簑紫郎の関寺は仕草が普段以上に細かく動いていて引き込まれた。通常、1手で動くところ、3〜4手使っているような印象。関寺がひとくさり終わった後、若い娘の人形が傘を持って舞うので、若かりし日の小町かと思ったら、鷺娘なのだそう。なんで? アフタートークで転生後のようなことを言っていたが、しっくりこなかった。
2023年5月5日金曜日
5月5日 新国立劇場バレエ団「シェイクスピア・ダブルビル」
小野絢子・奥村康祐ペアを再見。体調を整えて臨んだので、十分に楽しめた。とても濃密な1時間だった。
奥村のマクベスは線の細さが武将らしくはないのだが、繊細で、夫人の言うがままに動かされてしまう弱さがあった。ダンカン王殺害に逡巡し、夫人に焚き付けられて事に及ぶまでの心理描写がくっきり。バンクォー乃亡霊に怯える様、夫人の亡骸を抱き抱えて嘆くパドドゥ、最後の闘いに向かう悲壮感。どれも濃密で、息を呑むほど。
小野のマクベス夫人は妖艶。振り切った演技でマクベスをリードする欲望の強さを描いた。夢遊病の場面が唐突に思えたが、アフタートークによると、その前の寝室の場面で、マクベスを叱咤激励しつつも、一人のときには弱さを垣間見せたと聞いて納得。死んだあとのパドドゥはぐったりとしていながら、美しさを保っているのが圧巻だった。
衣装もとても素晴らしいのだが、男性ダンサーの靴が黒のバレエシューズだったのが気になった。コスチュームのなかでそこだけ普段のレッスンみたいで。
《アフタートーク》
奥村のマクベスは線の細さが武将らしくはないのだが、繊細で、夫人の言うがままに動かされてしまう弱さがあった。ダンカン王殺害に逡巡し、夫人に焚き付けられて事に及ぶまでの心理描写がくっきり。バンクォー乃亡霊に怯える様、夫人の亡骸を抱き抱えて嘆くパドドゥ、最後の闘いに向かう悲壮感。どれも濃密で、息を呑むほど。
小野のマクベス夫人は妖艶。振り切った演技でマクベスをリードする欲望の強さを描いた。夢遊病の場面が唐突に思えたが、アフタートークによると、その前の寝室の場面で、マクベスを叱咤激励しつつも、一人のときには弱さを垣間見せたと聞いて納得。死んだあとのパドドゥはぐったりとしていながら、美しさを保っているのが圧巻だった。
衣装もとても素晴らしいのだが、男性ダンサーの靴が黒のバレエシューズだったのが気になった。コスチュームのなかでそこだけ普段のレッスンみたいで。
《アフタートーク》
奥村 やっと終わったという開放感と寂しさ。1つの感情だけでなく、複雑に絡み合う。野心だじゃない、たくさんの感情がミックスして、普段生きている時のような感情。人間らしい役でやりがいがあった。生きていればでてくる感情を全て使うというか、とてもエネルギーのいる役で1回終わるとぐったりしてしまった。
小野 どの役も新たな挑戦。血に興奮する役は初めてだが、特別ではない。自分とかけ離れた役は逆にやりやすい。楽しかった。
奥 タケットのイメージを見つけていく感じ。見本がないので、自分たちが出したものがそのまま振り付けになる。緊張感があり、これでいいのかという不安も。
2023年5月4日木曜日
5月4日 新国立劇場バレエ団「シェイクスピア・ダブルビル」
「マクベス」
米沢唯・福岡雄大ペア。
福岡のマクベスは体格の良さが騎士らしく、よく知るマクベス。王位に関心はなかったが、妻に焚き付けられて王位への野心を抱くものの、元々関心はなかったので今一つ煮えきらないというのがよく分かる。米沢のマクベス夫人は、ちょっと冷酷な感じが身分の高い人らしく、これも役柄によくあう。
「夏の夜の夢」
柴山沙穂・渡邊ペア。
柴山之ティターニアは女王の威厳や強さがあり、イメージに近い。
パックの山田悠貴は細身て軽快なのがいいが、少し知恵が足りない感じ。
米沢唯・福岡雄大ペア。
福岡のマクベスは体格の良さが騎士らしく、よく知るマクベス。王位に関心はなかったが、妻に焚き付けられて王位への野心を抱くものの、元々関心はなかったので今一つ煮えきらないというのがよく分かる。米沢のマクベス夫人は、ちょっと冷酷な感じが身分の高い人らしく、これも役柄によくあう。
「夏の夜の夢」
柴山沙穂・渡邊ペア。
柴山之ティターニアは女王の威厳や強さがあり、イメージに近い。
パックの山田悠貴は細身て軽快なのがいいが、少し知恵が足りない感じ。
2023年5月3日水曜日
5月3日 新国立劇場バレエ段「シェイクスピア・ダブルビル」
「マクベス」
小野絢子・奥村康祐ペア。演技派の2人なのでと期待が高すぎたのか、ちょっと期待外れに感じた。奥村は線は勇壮な軍人には線が細いし、小野の妖艶さは身の丈に合わない服を着ているようでしっくりこない。体調がすぐれないこともあり、途中少し意識が途切れた。
マクベス夫人が自殺してから、ぐったりしたままのパドドゥは身体性の高さに目を見張った。
カーンコールで子供たちが顔に血糊のついたままで、ニコニコ笑っているのがシュールだった。
「夏の夜の夢」
オーベロンの速水渉悟はこれまでみたことないほど、堂々とたくましく威厳がある風貌。ティターニアの池田理沙子は女王というには可愛らしい。小姓と並ぶのが似合う。
パックの石山蓮は体格が良すぎ? オーベロンよりがっしりしているのはちょっと違和感がある。 ボトムの福田圭吾は笑いのセンスがいい。大阪人気質?
軽いコメディのはずなのだが、最後、ティターニアが酷い目に遭わされたとも知らずに和解するラストの後味が悪かった。
奥村のマクベスは線の細さが武将らしくはないのだが、繊細で、夫人の言うがままの弱さがよく表されていた。ダンカン王殺害に逡巡し、夫人に焚き付けられて事に及ぶまでの心理描写がくっきり。バンクォーの亡霊に怯える様、夫人の亡骸を抱き抱えて嘆くパドドゥ、最後の闘いに向かう悲壮感は濃密で、息を呑むほど。
小野のマクベス夫人は妖艶。振り切った演技でマクベスをリードする欲望の強さを描いた。夢遊病の場面が唐突に思えたが、アフタートークによると、その前の寝室の場面で、マクベスを叱咤激励しつつも、一人のときには弱さを垣間見せたと聞いて納得。死んだあとのパドドゥはぐったりとしていながら、美しさを保っているのが圧巻だった。
衣装もとても素晴らしいのだが、男性ダンサーの靴が黒のバレエシューズだったのが気になった。上衣はややシンプルながらもコスチュームらしいのに、足元だけ普段のレッスンみたいでそぐわない。
小野絢子・奥村康祐ペア。演技派の2人なのでと期待が高すぎたのか、ちょっと期待外れに感じた。奥村は線は勇壮な軍人には線が細いし、小野の妖艶さは身の丈に合わない服を着ているようでしっくりこない。体調がすぐれないこともあり、途中少し意識が途切れた。
マクベス夫人が自殺してから、ぐったりしたままのパドドゥは身体性の高さに目を見張った。
カーンコールで子供たちが顔に血糊のついたままで、ニコニコ笑っているのがシュールだった。
「夏の夜の夢」
オーベロンの速水渉悟はこれまでみたことないほど、堂々とたくましく威厳がある風貌。ティターニアの池田理沙子は女王というには可愛らしい。小姓と並ぶのが似合う。
パックの石山蓮は体格が良すぎ? オーベロンよりがっしりしているのはちょっと違和感がある。 ボトムの福田圭吾は笑いのセンスがいい。大阪人気質?
軽いコメディのはずなのだが、最後、ティターニアが酷い目に遭わされたとも知らずに和解するラストの後味が悪かった。
5月5日に再見。体調を整えて臨んだので、「マクベス」の世界観を十分に楽しめた。とても濃密な1時間だった。
奥村のマクベスは線の細さが武将らしくはないのだが、繊細で、夫人の言うがままの弱さがよく表されていた。ダンカン王殺害に逡巡し、夫人に焚き付けられて事に及ぶまでの心理描写がくっきり。バンクォーの亡霊に怯える様、夫人の亡骸を抱き抱えて嘆くパドドゥ、最後の闘いに向かう悲壮感は濃密で、息を呑むほど。
小野のマクベス夫人は妖艶。振り切った演技でマクベスをリードする欲望の強さを描いた。夢遊病の場面が唐突に思えたが、アフタートークによると、その前の寝室の場面で、マクベスを叱咤激励しつつも、一人のときには弱さを垣間見せたと聞いて納得。死んだあとのパドドゥはぐったりとしていながら、美しさを保っているのが圧巻だった。
衣装もとても素晴らしいのだが、男性ダンサーの靴が黒のバレエシューズだったのが気になった。上衣はややシンプルながらもコスチュームらしいのに、足元だけ普段のレッスンみたいでそぐわない。
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