2019年8月16日金曜日

0815 サファリP「怪人二十面相」

黒い壁に赤い床の能舞台のような方丈の台、背景には黒枠に蜘蛛の巣のやうに赤い紐を絡めたようなパネル。役者の衣装は女優の赤いドレスに男優は紺?を基調にしており、スタイリッシュ。
二十面相の取り調べの場面から始まり、犯行の現場や作家と編集者のやり取りなどが入り乱れ、役柄も次々に入れ替わるスリリングな展開。途中、床に開けた穴から射し込む光を使った演出が面白かった。
ダンスシーンでは、奥さん(ゴーストライター)と刑事(明智?)のデュエットが官能的。
暗闇を効果的に使い、ラストの壁に張りつく盗賊の姿が印象に残った。
濃密な約1時間。

2019年8月15日木曜日

8月14日 八月南座超歌舞伎

「超歌舞伎のみかた」は國矢と蝶紫。観客の小学生を舞台に上げて、分身の術を体験させてあげるのはいい趣向。人の動きをキャラクターに変換する技術では、腕が変な方へ向いてしまって、図らずもテクノロジーの限界を見た。

「當世流歌舞伎踊」
お国山三の舞踊。初音ミクの踊りは藤間宗家がモーションキャプチャーで振り写ししただけあって、滑らかで優美。ミク1人の時は客電が暗くなってはっきり見えるのだが、人の役者と一緒になると周囲が明るくなって姿がぼんやりするのが難点。

「今昔饗宴千本桜」
初音ミクが大正100年の世界から前世?に遡って美玖姫となり、狐忠信(獅童)とともに、千本桜を枯らした青龍(國矢)と戦う。映像の青龍がメタリックなのは何故だろう?必ずしもミクとの絡みでもないのに、映像パーツか多く、國矢は声だけの場面も。サイリウムの色を変えてそれぞれのキャラを応援させたり、桜を咲かせるなどら観客参加型なのは好きな人にはいいのかも。3500円のライトは安くはないが、おねだりして買ってもらった子どもも散見したので、セールス面でも成功してた。
音程が不安定なミクのセリフはやはり違和感。感情が込められないので芝居には限界があるように思う。セリフのやり取りは、獅童との場面ではミクが話し出す前の間が長すぎるように思ったが、國矢との場面はそうでもなかったので、役者次第なのだろう。ミクの間は決まっているのだから、それにどれだけ合わせられるかではないか。クライマックスではライブ会場のように観客をあおる獅童。ちょっと疲れが見えたようだったが…。
ミクを映すため仕方ないのだが、宙乗りが凧に乗ったよう。ラスト、倒されたはずの青龍がフツーに出てきたのもなんか違和感があった。

2019年8月13日火曜日

0810 MONO「涙目コント」

マンションらしきビルの屋上を舞台にしたショートコント。屋上=飛び降り自殺というのはちょっとどうかとも思ったが、総じて良質な笑いになっていた。
特殊部隊の話「フルーツバスケット」は土田英生作。特殊部隊のリーダーがドリアンて。みかんとか高砂とかポンカンとか、絶妙なネーミングセンスだ。クスクス笑いが止まらない。他の話でもだが、立川茜がクールな雰囲気でいい味出してる。
「久保の挑戦」はオイスターズの平塚直隆。無謀なチャレンジに近所の人を巻き込む失業中の男を奥村泰彦が情けなく好演。
「見えない恋」は石丸奈菜美と声の出演という異色作。ガーリッシュなお話は意外にも土田作。
「さらば鎌玉」はiakuの横山拓也。
二子玉のイメージなのかな。花火の見えるマンションの屋上。別れを決めた女(高橋明日香)と、未練いっぱいの男(渡辺啓太)のやり取りがありそうでリアル。
「坂本」は土田。坂本という名前に妙な執着をみせる女(立川)と、意味不明に名前を貶される男(奥村)のちぐはぐなやり取り。土田らしいおかしさ。
「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」はイキウメの前川知大らしいSFタッチ。

2019年8月8日木曜日

8月7日 霜乃会

南龍の講談がつなぎになって、結婚式の披露宴の出し物としてそれぞれの芸を披露するという構成。冒頭と最後は茶の湯で。
南龍は「当時すでに落ち目だった講談を捨て」とか、「温かいお茶をのんでホッとした」とオヤジでも言わないようなギャグを観客が気づくまで繰り返すとか、あまり笑いのセンスが良くないと思う。
浪曲の京山幸太は「清水次郎長」から。荒神山への討ち入り前夜、次郎長親分が仁吉(?)に「二人生きて戻れたら一緒になってくれ」と告白し、仁吉の子分が「ちょっとまった」と割り込んで、男同士の三角関係が…と意外な展開にびっくり。そういうキャラなのか?
日本舞踊の山村若隼紀は「黒髪」。普通にしっとりと。
落語の紋四郎は「鷺とり」。披露宴にふさわしくないオチにするためか、4人が頭をぶつけて死んでしまうというオチはどうか。
文楽の碩太夫、燕二郎は忠臣蔵の大序から。碩は若手らしからぬ堂々とした語り振り。燕二郎はちょっと硬くなっているようにも見えたが(師匠が客席にいたから?)しっかりしていた。若手2人ができる演目は限られているとはいえ、大序は華がない。
最後は能楽師による「高砂」で強引にまとめたという感じ。
新感覚エンターテインメントと打ち出しているが、様々な芸能が入れ代わり立ち代わりというのは今までにもよくあること。制約はあるだろうけれど、せっかくならばもう一歩踏み込んだものを見てみたい。

2019年8月6日火曜日

8月6日 蝠聚会

「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」
清介の浄瑠璃に清公の三味線。清公は緊張していたのか出だしは硬かったが、中盤以降、叩きバチで弾きまくるところは力強く。清介は45分の予定を10分近くオーバーする熱演。

「菅原伝授手習鑑」
寺入りを勝平・清允。語りは意外に抑え気味?ついこの間、鑑賞教室で聞いたばかりなので、本職の太夫との違いを比べてしまう。素人義太夫としては上々の語りだけど、やはりプロはすごいのだと実感。
寺子屋は藤蔵・清志郎→清丈・清馗。藤蔵の語りは、落ち着いて堂に入っている。畳みかけるように語るところは、講談のようでも。清丈は情のこもった語りで、千代の嘆きなどは拍手がないのが不思議なくらい。

「鬼一法眼三略巻 五条橋の段}
宗助、寛太郎の語りに燕三、友之助、清允の三味線。宗助の語りは今日のなかで一番義太夫節らしい。寛太郎も堂々として、力強い声。燕三の三味線はさすがの安定感。友之助はちょっと力が入りすぎていたように聞こえた。

最後の挨拶で、清介が、寛太郎が宗助の預かりになったと紹介。演目、演者を決めたらたまたまこうなったらしいが、計らずも新師弟のお披露目のような恰好に。去年寛治が亡くなったことに言及され、寛太郎の目が潤んでいたように見えた。

8月2日 あべの歌舞伎 晴の会「肥後駒下駄」

テンポよく、派手な立ち回りや、柿の木を使った誘拐未遂など、様々な趣向があって面白い。翌日の公演も見たが、日々進歩していて頼もしかった。
冒頭はチョンパで花見に訪れた登場人物ら。客席からも現れて、華やかな幕開き。
亀屋東斎こと千次郎が人物関係を紹介しつつ、物語の導入を担う。主人公の奴駒平実は向井善九郎は、まっすぐな男ぶりを好演。松十郎が敵役の八坂源次兵衛と、敵と思いきやの中川縫之助の2役。年恰好に大きな差のない2役を声のトーンで演じ分けていたのに関心。源治兵衛は途中、薬屋に変装するところもあり、同一人物であると分からせるのはなかなか難しそう。千寿は弟秀之助を気遣う気丈な姉、お縫は問題ないが、2役の刑部妻梅野は娘役との差がはっきりせず。2日目には落ち着いた妻らしい声のトーンになっていた。
月岡刑部の當十郎はセリフが怪しかったところもあったが、唯一の年配者として舞台を引き締める。源治兵衛の弟源内役の當吉郎、中間只助の佑次郎、縫之助妻お沢の當史郎、駒平に一目ぼれする刑部の娘松枝のりき弥、お縫の許嫁、新蔵の翫政、それぞれが役割をこなしていた。子役の秀之助役、飯田優真もよく演じていた。
善九郎と松枝、縫之助とお沢のそれそれのカップルが然るべく収まり、皆が踊ってめでたしという2幕引きも、ハッピーな感じで悪くない。肝心の敵討ちの場面は描かれないのだが。松枝が4年も片思いしてたり、2幕の新蔵宅の立ち回りは暗がりでだんまりだったのに、外に出たらなぜか普通に切り合っていたり、急に藤棚が出てきたり、と、よくよく考えたらあれ、という場面もあるのだが、総じて面白く見られた。

7月31日 夏休み文楽特別公演 親子劇場

「日高川入相花王」
いつもの渡し場の段。三輪、芳穂、咲寿、亘に團七、團吾、清馗、友之助、錦吾。
人形は文昇の清姫に勘市の船頭。
子供率が高く、ガブにびっくりした様子。人形を上下に振るあまり、肝心の顔が隠れ気味だったのが惜しい。

「かみなり太鼓」
織のかみなりトロ吉は初演から引き続き。希のおとうちゃんはちょっとニンに合わず。小住のおかあちゃんはカミナリを落とすところに迫力があり好演だったが、希と逆のほうがよかったかも。碩の寅ちゃんは無邪気でかわいい。もうちょっと子どもらしいずるさがあったらなおよかった。
三味線は清介、清丈、寛太郎、清公、ダブルキャストは燕二郎。トロ吉のトロトロ太鼓を燕二郎。
人形は玉佳のトロ吉に勘次郎の寅ちゃん、簑紫郎のおかあちゃん、紋秀のおとうちゃん。全員頭巾をかぶっていたが、最後の宙乗りだけ、玉佳が顔出しで雲に乗って飛んでいく。すっぽんまで花道が設置されていて、せり上がったのち客席後方へ。プレゼントを投げたりして、子どもたちがきゃあきゃあ言って喜んでいた。