会場の山村能舞台のある尼崎にちなんで、太閤記を講談と文楽で。
新作という、導入のような話を南龍が10分あまりしたのち、碩と燕二郎の素浄瑠璃で「絵本太功記」の夕顔棚。なんとなく、尼崎の場面を想定してしまったのだが、夕顔棚はその前段だったと聞いていて気付いた。碩は花粉症で調子が悪いとのことだが、よく通る声で、さつきや久吉、十次郎らの語り分けも明瞭。燕二郎は輪郭のはっきりした音で、清々しい感じがした。
南龍の「太閤記 尼崎一騎駆け」は、いろんな登場人物が入れ替わり立ち替わり出てきて、話の筋は把握し切れなかったのだが、口跡のよさで引き込まれた。話のテンポが良く、3万の軍勢をあえて小声で表現するなど、緩急の効いた語り。
冒頭と最後に、進行役の朝原を交えてトーク。大汗かいて語る義太夫節に対し、講談や落語は汗をかいてはダメなのだとか。碩は、義太夫節は音曲の司だから音楽的要素が強いと思っていたが、この会でら他の芸能を知るなかで、語り物であることを意識するようになったそう。
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