菅井円加のシルヴィア。1幕のアマゾネス集団の先頭に立って狩りに勤しむ様は少女というより少年のような勇ましさ。時折奇声を発したりして、乱暴な仕草やぶっきらぼうな感じ。アミンタ(アレクサンドル・トルーシュ)にアプローチされるもの拒むのは、男まさりな女の子が照れてるような。ディアナ(アンナ・ラウデール)に咎められて、許しを乞うも、すぐに次のお気に入りに取って代わられてしまう。
1幕のアマゾネスたちの踊りはそんな感じであまり好みではなかったのだが、ディアナとエンディミオン(ヤコポ・べルーシ)のパドドゥが素晴らしい。とても官能的で、互いの頭を寄せ合うように横たわって手を組むところなど、直裁的ではない情緒にうっとりした。
2幕は黒燕尾(一部タキシードや上半身裸)の群舞。宝塚以外でこんな踊りが見られるとは! その中に一人、赤いベルベットのドレスのシルヴィアの戸惑いや高揚感が際立つ。黒燕尾の男たちに混じって、男装のディアナ。
3幕は時が経って、再開するシルヴィアとアミンタ。共に白髪混じりで、過ぎた日々を取り返すことはできない悲しみ。
アミンタが「森を守ろう」と書いたプラカードを持っているのはなぜ?とか、アムール(クリストファー・エヴァンズ)の白いパンツ(しかも、右は一分丈、左は三分のアシンメトリー)がふざけているように見えるとか、不思議なところもあったけど、全体としてはいい作品だった。
カーテンコールでノイマイヤーが出てくると、客席は総立ち。
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