吉坊の案内で、平知盛が題材の文楽「義経千本桜」と能「碇潜」。
文楽は呂・清友の床に、人形は勘十郎の知盛のみ。戦装束に着替えた銀平が、典の局、安徳帝に挨拶して出陣するまでの20分ほど。
湿度が高いせいか、三味線の音色が冴えない。呂の語りは相変わらず。脇正面の前方の席だったので、3人遣いの連携する様子がよく見えて興味深かった。
能の「碇潜」は、吉坊が「てんこ盛り」と言っていた通り、前場ではシテの教経とツレ安芸太郎・次郎兄弟のそれぞれに作り物の舟があるし、後場は屋根付きの船に子方を含め4人(知盛、二位の尼、大納言局、安徳天皇)が乗って登場。
前シテを演じた大槻文蔵は戦の場面の描写が見事。ツレの2人と共に海に飛び込むところの緊迫感と寂寥感がすごかった。
後シテの知盛は大槻裕樹。若々しく、キビキビした動きで、立ち回りから碇を担いだ入水までをダイナミックに見せた。
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