コロナ禍で観劇予定だった日が休演になったため、オンラインで視聴。
2年前の初演時にナウシカを演じた菊之助がクシャナ役になり、「白き魔女の戦記」として前編を再構成。菊之助のクシャナは大人っぽいというか、分別がある感じでナウシカよりも似合っている。ナウシカはちょっとカマトトぶっている感じがあった。七之助のクシャナとも違って、これはこれで格好いい。なんと言っても、覇権をねらう決意を固め、花道で決まる姿の美しいこと。2幕冒頭の母(吉弥)との場面は初演にはなかった部分で、もろさや優しさと言ったクシャナの隠された一面が描かれるのも、人物造形に深みを与えていた。
米吉のナウシカは可憐で、役によく合っている。キツネリスとの「怖くない」や、ミト爺への「そういうところ、嫌いではないぞ」など、アニメキャラらしい台詞も不自然ではないのがなんとも。
幼きナウシカで、菊之助の長女知世が初舞台。蟲を取り上げられて「何も悪いことはしてないの〜」と訴えるセリフが健気で可愛らしく耳に残る。
オームの精役の丑之助はナウシカの米吉ときっちり対峙して長い舞も危なげなく、存在感があった。
キャラ変更されたところでは、ラステルの吉太郎、ケチャの莟玉ら若い女方の活躍が頼もしい。弥十郎のユパは背の高いのは原作とは異なるのだが、老人という設定なので松也よりも似合うと思う。また、こういう、一癖ある熟練者の役が似合う。クロトワは吉之丞。小狡い感じは初演の亀蔵のほうに分があり。
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