2022年7月15日金曜日

7月14日 「M.バタフライ」

岡本圭人のソン・リリン(バタフライ)が期待以上の好演。はじめ、京劇の拵えで出てきたときや、蝶々夫人の和装姿は、骨を感じさせる顔立ちや体つきが女性ぽくないように思ったが、プライベートのシーンでは立ち居振る舞いや話し方か柔らかく、夢の女のような魅力があった。男装に戻っての法廷シーンでは強かさも見せ、主役はこちらと思ったほど。腰が細いのでドレスが似合うのだが、残念だったのは足捌き。深いスリットのチャイナドレスで座るとき、足首が捻れたように曲がるのが美しくなかった。
ルネ・ガリマール役の内野聖陽は、理想の女にのめり込む男の滑稽さ、哀れさを活写。終盤の化粧をして、鬘、打ち掛けを纏って自害するとこの哀れさが壮絶。(そのあと、数分でメイクを落とし、くたびれた背広姿に戻っていたのは驚いた) 
事実と回想が入り混じり、ガリマールとソンの視点が入れ替わるので少し混乱する。妄想シーン?で出てくるガリマールの幼馴染マルク(みのすけ)の役割が今ひとつ分からず。ラスト近く、ソンが復縁を迫るところはソンの告白のようにも見えたが、これも含めてガリマールの妄想でいいのかな?

演出は劇団チョコレートケーキの日澤雄介。 

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