ちょっとした言い間違いや言葉のすれ違いが誤解を生んで、こじれた話が最後にほどけるという、岡本尚子らしい作品。
冒頭の、暗転から絵本が浮かびあがる演出が印象的。
関西圏の郊外にある、住宅の裏のガレージを舞台に(柱だけのようなセットなので、はじめは何かわからなかったが…)、ミュージシャンを目指して上京するも夢破れて地元の工務店で働く竹内(太田清伸)や宅配の配達員(上瀧昇一郎)、白衣の男(小池裕之)らが出たり入ったり。住宅で暮らすのは、兄のまっさん(横田雄一郎)、次女梅ケ谷(岡部)、その娘うーちゃん(古谷ちさ)。その日は傘寿の父の祝いのために出かける準備をしているのだが、そこへ長女の元夫、松戸(稲垣卓夫)や、うーちゃんの幼馴染たけちゃん(駒野侃)も現れ…、と様々な立場の人が入り乱れる。
夢を追いかけるために地元を出ようとする若者(たけちゃん、うーちゃん)と、夢破れて地元にもどった年配組(竹内、梅ケ谷?)を対比しつつ、未来への希望を思わせる。
ドッペルゲンガー(ドップラー効果)にからめて、過去、現在、未来について語るところが分かりにくかったが、タイムカプセルとタイムマシンの言い間違いはよくできてる。タイムマシンじゃないけど、タイムカプセルにも同じような効果があるよね、という。
大阪弁満載のテンポが楽しい。岡部の貫禄が増していて、大阪のおばちゃんというより、経営者が政治家のようだった(悪口ではなくて)。容量の得ない小池の話を古谷が引き取る場面があったのだが、とたんに安心して聞くことができて頼もしく感じた。
2021年12月26日日曜日
12月26日 空晴「向こうの景色」
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