2021年12月13日月曜日

12月12日 吉例顔見世興行 第二部

「三人吉三」
りき弥の名題披露で、夜鷹おとせ。花道の出で大向こうがかからないのが寂しいが、大役に緊張した面持ち。姉さん被りの手拭いの影から見える横顔が美しく、声もいい。ござを持ったまま、手拭いを外して、しまってとやることが多く、少し手間取っているようにも見えたが、他の人ならこんなに凝視しないから分からなかっただけかも。

お嬢が孝太郎、お坊が隼人と年齢差があるが、意外に(失礼!)違和感はなく。隼人のお坊はニンに合う。和尚の芝翫と3人並ぶのもしっくり。

「身替座禅」
仁左衛門の右京は品があり、見ているだけでこちらまでウキウキしてくる愛嬌に溢れる。驚いたり、膨れたり、バツが悪かったりと、表情のひとつひとつがチャーミングで、つい引き込まれる。
芝翫の玉井は、濁声のわわしい奥方。可愛さより強さが勝るが、笑いどころはしっかり押さえていた。
太郎冠者の隼人は、びっくりして飛びのく動きがややオーバーに感じたが、軽妙なのがいい。
千枝の千之助、小枝の莟玉はビジュアルは人形のような可愛さで、声も可憐。莟玉と並ぶと千之助の所作が至らないのが目についたが…。


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