2021年12月5日日曜日

12月5日 新国立劇場オペラ「蝶々夫人」

初めてちゃんと観たが、ピンカートンのクズ男ぶりにドン引く。結婚式の日、幸せに浸る蝶々を見かねて、あまり夢を見せるなと忠告する領事に対し、日本の法律に従って999年間結婚する(?)けどいつでも離婚できるし、帰国したら本当の結婚をすると言い放つって、はじめっから捨てる気だったのかと愕然。再び来日した時も、蝶々の悲しむ顔が見たくないと走って逃げ去るし…。当初の配役だったルチアーノ・ガンチが入国制限のため来られず、代役の村上公太の外見がもろ日本人だったのも痛かった。

蝶々役の中村恵理は歌に不足はないのだが、理知的な雰囲気が邪魔して15歳(!)という無邪気さや、ピンカートンを信じる無垢なまでの一途さが感じられなかった。こういう、あまり賢くない女性は、男性の女形が演じるほうがらしく見える気がする(「ハムレット」のオフィーリアとか)。現代のリアルな女性が演じると、どうも嘘っぽい。

当時の欧州では日本のことなんてほとんど知られていないだろうから仕方ないのだけど、鈴木やホンゾなどの役名はどういうチョイス?

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