「江口」
永謹のシテ、ツレは宇高竜成、山田伊純、ワキは村山弘。
三番目物の大曲で名曲というのだが、ピンとこなかった。2時間近くの上演時間のうち、前場は1時間弱と短め。間狂言(千三郎)を挟んで、後シテは2人の女を連れて橋掛りから船で登場。舞台に移ってからは、舞が長かったように思った。が、舞台をくるくると回るばかりの静かな舞なので、面白さが分かりにくい。
「千鳥」
忠三郎のシテ、山本善之の主人、山口耕道のり酒屋。千五郎家に慣れた目には、忠三郎は行儀がよく、ちょっと物足りない感じ。金を忘れたフリをして袖をパタパタするのがかわいかった。
隣にいた二人連れのご婦人が題名を「なんて読むの?」と言っていたのだが、ちどり以外の読み方って…?
「大蛇」
素戔嗚尊による八岐大蛇退治。
龍謹のシテ、ツレは宇高徳成、子方の南坊城碧子は宗家の孫だそう。ワキは江崎欽次朗ほか。
解説でも言っていたが、老夫婦は姫の親としては歳を取りすぎ。8人目の末娘とはいえ、どう見ても孫でしょ。
シテは始め、作り物の小屋の中で声を発するのだが、龍謹の声は明朗で聴きやすい。碧子は目鼻立ちがよくかわいいが、緊張したのか、終始不機嫌そうな顔が惜しい。
後場は大蛇と素戔嗚尊の立ち回り、赤毛に赤面の面をかけ、龍のような冠。勇壮な舞で、眼が覚めるよう。
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