色々な意味で今まで見たことのないくるみだった。
プログラムには細かい文字でびっしりと記されたストーリーによると、クララは特別な少女で、世界を救う使命を持っているらしい…。くるみ割り人形は神様だし、物語を膨らませすぎで、お腹いっぱいな感じ。
クララ役の森下洋子は、70歳超という年齢を考えたら驚異的だが、いろいろシンドイ。あの歳でポワントで立ってるとか、タイツの脚を晒してるとか、全幕の主役を張るとか、前人未到の域に達しているのは確か。だが、アンドウォールが甘いのか5番で立つべきところが6番になっている感じで、緊張感に欠けるし、駆け寄ったり、ジャンプしたりという動きが重い。パートナーの支えがあってようやく成り立ってるのがありあり。少し上を見上げて、にっこりと微笑みを絶やさないのは可憐だが、もはや老嬢の域にあることは隠しきれない。
森下に遠慮してか、他のダンサーも6番になっているようで、インパッセで踊るバレエダンサーって初めて見たよ。
出演者がやたら多いのにも驚いた。舞台のアラを隠すため?と疑ってしまう。芸術を観るというより、森山洋子のお姿を見られれば満足みたいな、信奉者がたくさんいるのだろうなあ。
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