2019年11月9日土曜日

1109 野生能」火魔我蹉鬼、洲波羅、富久破裸」

森村泰昌による、三間四方の舞台、鏡板の代わりのスクリーンと、能の形式を取り入れた舞台。冒頭は、戦火に焼かれた街並みを美しいと感じた美術家や坂口安吾の随筆を引用。黒いジャンパーとスラックス、黒のキャップという出で立ちの森村と太田宏が黒のキャリーケースを引いて現れ、シンメトリーな動きで、ケースから譜面台や台本を取り出してセッティング。正座をして語るのは朗読劇のよう。釜ヶ崎についての思い出を語る森村に、あいりんセンターの霊が忘れられようとしている労働者の無念を語る。スクリーンには、閉鎖数日前のセンターの模様が淡々と写し出される。
二幕は京都。地元の小学生による歌、森村と太田が掛け合い漫才のような場面も。途中、森村が背広姿で町下路地蔵という政治家?に扮し、下町とはと一席ぶつ。三幕は海の映像。船に乗った森村がどこかへ上陸するところで幕。
野生「能」と銘打ってはいるが、能らしさはあまり感じられなかった。

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