2018年7月6日金曜日
0704 七月大歌舞伎 夜の部
「御浜御殿綱豊卿」
仁左衛門の綱豊卿のセリフの心地よさ。中車の助右衛門も懸命に渡り合っていて、やり取りの緊迫感を楽しめた。
が、さんざんそばへ寄るのを拒んでいた助右衛門が意を決して綱豊に近づくところで笑ってしまう観客ってどうよ。それまでのやり取りは振りではないのだが。
お喜世の壱太郎(何気に今月大活躍では?)、江島の扇雀、浦尾の吉弥ら、女形陣も役にはまっていて、バランスのいい舞台。
「口上」
20分の予定が5分ほど巻いて終了。あまり面白いことを言う人はなかった。
「女殺油地獄」
幸四郎が「最終目標」と言っていた大阪での油地獄だが、終始違和感が拭えなかった。どこがどう、とは言い難いのだが、強いて言えば、徳庵堤から人格破綻者に見えた。与兵衛は強がっているアホな男だけれど、そこには愛嬌がないといけないと思うのだ。幸四郎の与兵衛は危うげで、あまり近寄りたくない感じ。そのせいか、最期の殺しの場面での狂気との落差が少なかったのでは。猿之助のお吉はふてぶてしいというか、貫禄がすごい。与兵衛より大分年上に見えた。年下の幼馴染を放っておけず、つい世話を焼いてしまうというというより、冷静に考えているよう。殺しの場面でも、ついほだされちゃいそうになる様子が薄かったように感じた。
おさわの竹三郎、口入小兵衛の松之助が上方の風情。
それにしても、襲名披露公演の最後がこれって。どよーんとした気分で劇場を後にした。
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