2016年8月27日土曜日

0827 虚構の劇団「天使は瞳を閉じて」

防護服に身を包んだ人たちの体に放射能汚染などの文字が次々に映される。不穏な雰囲気のなか場面が変わると、放射能汚染地域から出るように指示する電力会社(?)の職員と、中に入れろという人々の押し問答。「安全だ」と言っているのに、急いで避難せよという矛盾。そうこうするうち、サイレンが鳴り、街は透明な壁に封鎖される。 時が過ぎ、放射能汚染で地球上の人類は滅亡。透明な壁に逆に守られた街の中の人だけが生き残ったが、人々は壁の外に出たいと思っている。現代社会のあちこちで見られるような皮肉。幸せだった人々がいつの間にか不幸に向かっている。 ギャグや踊り、歌が織り込まれ、テンポよく進んでいく舞台。振りも格好いいし、踊りもよくそろっている。面白かったとは思えども、この作品が伝えたいことは何だろうとしばし考えてしまった。福島原発事故のあとだけに、原発との関連を考えてしまうが、別に原発でなくてもいい話かも。人類が滅亡しそうな要因として最有力なだけで。 役者のなかでは、芽の出ないミュージシャン、ケイを演じた佃井皆美が印象的。ギャグが手だれていたのと、踊りが上手かった。

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