2016年8月23日火曜日

0821 内子座文楽 午前の部 「仮名手本忠臣蔵」

三段目 下馬先進物の段は靖太夫・清馗 何でか、靖の語りの裏に嶋太夫が透けて見えた。時代物は性に合うのか、安定感がある。 殿中刃傷の段は呂勢太夫・藤蔵 今回の公演で一番の聞き応え。意地悪な師直の憎らしいことといったら!判官の無念、悔しさが何倍にも膨らんだ。呂勢の大笑いはもしかしたら初めて聞いたが、声の重々しさはないものの、長い時間をかけて会場を釘付けにしたのはさすが。三味線はあまり手数が多くはなく、じっと待っているところが多いのだが、要所要所で効果的な一音。判官が切り掛かってからはアグレッシブな音で盛り上げる。師直の人形は勘十郎で、表情豊かに憎たらしい。判官の和生も動き少なく堪える様がよかった。 四段目 塩谷判官切腹の段は津駒・宗介。 黒紋付に黒の裃という渋い出で立ち。 判官切腹の場合など、床なしの静寂のなか人形の動きだけで進めるシーンが多くあったので、少々間延びする印象。城明け渡しの段の一言を待ちわびてしまった。

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