「夏祭浪花鑑」
靖太夫の三婦がそれらしかった。
咲甫太夫の団七、出だしの「おおい、おおい」で遠くから息せき切って近寄ってくる様がはっきり。立体的な語りだ。
「コリャコレ男の生面を」のところで、見台をバンッとはたくのが勢いにのってよかった。
対して英太夫の義兵次は声が小さいのは老人だからと思えなくもないけれど、憎らしさが薄い。殺されるほど酷い人かなあという感じで、最後の「悪い人でも舅は親」のセリフが中ぶらりんな感じだった。
人形は勘十郎の団七がきびきびとした動きでひき付ける。和生の義平次がそれほどでなかったのは、語りのせいか。
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