2024年8月25日日曜日

8月25日 上方歌舞伎会

「荒れねずみ」 

松十郎、千寿、千次郎、りき弥、千太郎、愛三郎、愛治郎が素踊り。
振付は二世楳茂都扇性。てっきり友五郎振付かと思っていたが…。ねずみの顔を扇で表現するなど、ちょっと洒落た楽しい踊りなのだろう。松十郎がリーダーの風格。
プログラムによると、当代扇性の愛之助も指導にあたったそう。
 
「封印切」 

翫政の忠兵衛は愛嬌があって、いい忠兵衛。特に、後半の梅川に真実を打ち明けてからの慟哭が良い。成駒家は封印切りではなく「封印切れ」だったと思うが、小判がバラバラになってしまうほどの切れっぷり。吉太朗の梅川は前半、もう少し儚さが欲しいと思ったが、後半は忠兵衛を一途に思う風情に泣かされた。忠兵衛との並びも似合っていて、数年後にまた見たい。

八右衛門は松四郎。ところどころ愛之助の八右衛門を思わせる、仇っぷり。ただ、あれだけの独白を持たせるのはちょっと荷が重いか。ちょっと意識が遠のいてしまい、忠兵衛が階段を駆け降りるところを見逃した…。 

中居およしを千太郎、おふさを愛三郎が勤め、千寿とりき弥は名前のない中居なのは若手に経験を積ませようということなのだろう。若手2人は臆することなく、丁寧に勤めて好印象。おえんは當史弥。懐の深い女将さんといった風情がいい。

幕の後の挨拶は仁左衛門、友五郎、孝太郎、吉弥。(鴈治郎は翌日の藤間宗家の公演準備のため欠席だったが、成駒家の封印切だったので一言欲しかった…)「一部を除いて100点」と仁左衛門。成駒家型だったので遠慮していたところもあったろうが、主役の2人の芝居を見れば納得。「一部」」が誰だか気になるところだが、出演者の挨拶でトップバッターの松四郎の声がとても小さかったのはそう言うこと…?と思うなど。仁左衛門は上方歌舞伎会と言うべきところで「晴の会」と言い間違えたり、最後の手締めを忘れそうになって「どうやるんだっけ?」という感じで後ろにいた松十郎や千寿に教えてもらったりと、チャーミングさを遺憾なく発揮されてた。

 
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