「蝸牛」
善竹弥五郎の山伏、忠重の主、忠亮の太郎冠者。
枯れた風というか、セリフも動きもおっとりした感じ。世代の違う忠亮だけ声量が大きい。
「恋重荷」
赤松禎友のシテ、大槻裕一のツレ、福王茂十郎のワキ、善竹隆司のアイ。
裕一の女御は清楚な感じ。上手に座っている間、頭も動かさずにじっとしているのは辛いと言っていたが、そう聞いて見てみると大変そう。後場で死んだ荘司を見せられたり、怨念に苦しめられたりとただただ気の毒。因果と言っても、重荷を持たせたのは女御の指示ではないのに。最後、守神となってずっと見守っていると言われ、佇む姿は絶望のあまり呆然としているように見えた。
シテは重荷を持てずに絶望し、重荷の脇で音を立てて膝をつくのが死んだということらしい。その後、橋掛かりから引っ込むのだが、肉体は動いているけど中身がないというか、役の命は離れているように見えた。ただ、その後、アイやワキが荘司の死骸を前に色々するので、現代劇だったら着物か何かを残すだろうなと思った。
小鼓は大倉源次郎。シテの面を丹後に伝わる古いものを使ったのにちなんで、同時代(室町期)の弥七?作の胴を使ったとか。
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