英国ロイヤルの平野亮一がタイトルロール。不気味な美しさのある作品だった。2年前の初演を観なかったのを後悔。チラシのビジュアルで損していると思う。
平野演じるドラキュラは、不自然に反り返った姿勢や、這いつくばるような動きで異形さを醸しつつも、ゆったりした優雅な所作に支配者の風格があり、場を圧倒する。複雑なパやアクロバティックなリフトが連発され、目が追いつかない。2幕、友人の血を吸いながらルーシー(勅使河原綾乃)と見つめ合うところで、すでに気持ちは通っていると思った。
3幕でルーシーのの寝室に忍び込み、胸元をはだけて血を吸わせるところは、鍛えられた胸筋にドキドキ。ルーシーと婚礼をあげようとしたところで邪魔が入り、灰と帰すのだが、残されたルーシーはどうなるのだろう。
NBAバレエ団のダンサーたちは、女性陣はルーシー役の勅使河原、ミーナ役の野久保奈央とも小柄で、おっとりした雰囲気がよく似ている。あの時代の良家の女性役には似合う。一方の男性陣が役に合っていないというか、若造が無理やり老け役をやってるみたい。口髭が似合わなすぎ。
カーテンコールは写真OKだったのだが、平野が役そのままの様子でゆっくりと登場するサービスっぷり。後ろを振り返る時にいちいちマントを翻すのが笑いを呼んでいたが様になってた。
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