2023年8月20日日曜日

8月19日 文楽素浄瑠璃の会

「源平布引滝」
久郎助住家の段を織・清志郎。
とても気合の入った語りなのだが、内容が頭に入ってこないのは何故だろうとずっと考えていた。一本調子で緩急に欠けるとか、力が入るあまりがなり立てるようになってるとか、自分に酔ってるとか、気持ちが入っていないとか。色々思い当たるのだが、どれも十分に説明できない気がする。上手ぶってるってこういうことだろうかと思うなど。あれだけの熱演なのに、途中で拍手が入らないのはそういうことなのだろう。
清志郎の三味線はシャープでクリア。ただ、太夫の押しが強すぎるので、意識しないと耳に残らないのは困ったことである。


「ひらかな盛衰記」
松右衛門内より逆櫓の段を錣・藤蔵。
エモーショナルな2人で、義太夫らしくてほっとする。
錣はいつもに増して汁気の多い語り。「ヤッシッシ」の音が高いのはちょっと違和感があった。
三味線は派手な手が多く、弾き甲斐がありそう。藤蔵も乗ってよく唸ってた。


「卅三間堂棟由来」
平太郎住家より木遣り音頭の段を千歳・富助。
格調高い演奏。素浄瑠璃の会でトリということは、現役で一番と認められていることなのだろうか。


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