國太郎はお岩、茶屋女おもん、小仏小平に小平女房お花の4役。だが、肝心のお岩様が今ひとつ。不調のためか声に精彩がなかったのと、化粧のせいか顔もなんだかやつれて見えた。それも、病み衰えてというより、疲れた感じ。武家の娘という品格も薄かった。伊右衛門の裏切りを知ってからは、怒りが強い感じ。小平との早替わりでは、舞台裏を走っている足音が聞こえて興醒め。
伊右衛門の芳三郎は色悪というより単なる悪党。悪いのは悪いのだけど、小悪党というか。低くない声も凄みに欠ける。
お袖の玉浦祐之介は声がよく、女優?と見まごうほど。
一番役にはまっていたのは、直助の矢之輔。年齢がいっているのは置いておいて、直助の軽さや小狡さが役に合っていて唯一と言っていいくらい芝居らしさが感じられた。
脚本も前進座版なのか色々違うところがあって、伊右衛門のダメ押しの「離すなよ」のセリフがなかったり、髪梳きの後で絶命するところで刀に首が刺さる前に既に幽霊の手になっていたり。余り上演されない「三角屋敷」は興味深く観た。
脚本も前進座版なのか色々違うところがあって、伊右衛門のダメ押しの「離すなよ」のセリフがなかったり、髪梳きの後で絶命するところで刀に首が刺さる前に既に幽霊の手になっていたり。余り上演されない「三角屋敷」は興味深く観た。
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