望月太明蔵社中によるお囃子の解説。文楽で演奏しているだんじり囃子は天神祭を真似ているのだそう。岸和田のとは違うそうだが、どの辺が違うかは不明。大太鼓で表す雪や水音は、上方はゆっくりだけれど、江戸ではテンポが早いのだとか。色々な笛を使って季節の生き物(鶯、千鳥、鈴虫など)の実演が楽しかった。
トークの師匠に聴く!は千歳と燕三、勘十郎のパートに分かれて。燕三の入門のきっかけを初めて聞いたが、研修生の2年目に卒業生の発表会で妹背山婦女庭訓の連弾きに加わることになり、その指導教官が先代燕三。未習だった三下りを教えてもらい、必死で覚えて翌日演奏したところ、よく覚えたと涙を流すのを見て、この人にならついて行けると思ったのだそう。周囲からは「燕三師匠は厳しいからやめた方がいい」と言われたけれど、相性がいいのか、周りが次々と辞めるなか、最後まで残ったと。口癖だったという「分からへんのは解ろうとせんからや」という言葉に含蓄がある。
越路師匠は感覚の人、燕三師匠はじっと見ていてズバッと核心を突いてくるというのも興味深かった。ただ、せっかく「ワカテデワカル」企画なのだから、今の師弟の話ももう少し聞きたかった。演目についてなど。
「夏祭浪花鑑」
長町裏の段を、床は碩の団七×千歳の義平次、人形は簑太郎の団七×勘十郎の義平次という師弟共演で。碩の団七は力の入った語りがよいが、少し若いというか線が細い感じがした。人形も同様で、簑太郎は大きな人形を扱いきれていない感じで、大きく決まるところで腹にしわがよっていた(首を十分高く掲げられてないから?)のが気になった。千歳は憎たらしさがたっぷり。勘十郎の人形とも息が合っていた。
三味線は燕二郎が健闘。力強い叩きバチなど頑張っていたが、ちょっと音が小さきいのか周りの音に負けてしまうところも。立ち回りのメリヤスは燕三が入っていたのだそう。音の違いはよく分からなかったけれど、いつもより耳を傾けた。
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