2022年8月14日日曜日

8月14日 東京シティバレエ団「白鳥の湖」

藤田嗣治の舞台美術に惹かれて劇場へ。1幕の王子の誕生会が緑の中で、森の中のガーデンパーティーの雰囲気。2幕の湖の場面とは一続きの場所という感じがあった。緑の木々が絵本の中のよう。3幕の宮殿はワインレッドでガラリと印象が変わる。とはいえ、観たことのない白鳥という印象は、舞台美術というより、振付や物語の展開によるところが大きい。
古風というか、パがシンプルで、昨今のを見慣れていると物足りなく感じるほど。4幕の幕開きの白鳥の群舞は4×4の隊列に囚われないフォーメーションの変化が面白く、綺麗だった。ラストはオデットをはじめ白鳥たちが人の姿に戻る。早替わりは見事だったけど、ストーリーとしては釈然としなかった。

オニール八菜のオデットはニンではないのかしっくりこない。理知的で自らの境遇を理路整然と説明している風に見えて、哀れさ、儚さが感じられなかった。本調子でないのか、ポワントてのバランスがぐらつくところも。一方のオディールは本領発揮というか、俄然イキイキして見えた。フェッテはシングルに時折ダブルを混ぜる感じだったが、最後は3〜4回転?(少しぐらついたが)
王子のジェルマン・ルーヴェは背が高く、手足の長いこと!オニールとのバランスはよかった。ノーブルな二枚目なのだが、(彼のせいではなく演出のためだろうが)苦悩する王子ではなくあまり考えていないボンボンといった感じ。3幕幕ではまんまと騙される間抜けぶりに失笑してしまった。

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