2022年8月13日土曜日

8月13日 能・義太夫節・歌舞伎 謡かたり「隅田川」

義太夫の語りに能楽のお囃子、歌舞伎の立方によるコラボレーション。詞章は能をペースにしていて、謡語りのような出だし。
母のセリフは菊之助、それ以外の登場人物は咲太夫という語り分けだが、子の死を知った母が咽び泣くところや、南無阿弥陀仏と念仏を唱えるところでは声を重ねる演出で、母の嘆きがより深く伝わる。
見えるのに触れられない息子の幻を探すところは、能のカケリ?に則って近くや遠くを探すよう工夫したのだとか。菊之助が美しくも悲しい狂乱ぶりで、途中仰反る仕草が印象的。最後の引っ込みはどこかへ消えてしまうようと思ったら、この後、息子の後を追って入水する演出だったそう。

すみだトリフォニーホールはクラシック用なので天井が高く、音が拡散してしまう。マイクを使っていたため、聞こえないことはなかったが、変に響くのが気になった。1回席がほとんどフラットなので、舞台が見えにくいという問題も。

アフタートークで、道行は重の井子別れを参考に、燕三が作曲したのだそう。梅若をいじめる件は、一番文楽らしいと咲太夫。

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