2020年11月23日月曜日

11月22日 錦秋文楽公演 第2部

「新版歌祭文」
野崎村の段の中を睦・勝平。高音がかすれる悪いクセ?が再出。千秋楽近くなり疲れが出たのか。祭文売りの語りが普通のセリフのようで、一瞬誰が喋っているのか分からなくなった。落ち着きが出てきたのはよい。勝平はおおらか。

前は呂勢・清治。お染のクドキの切なさ。思い込みの強い我儘なお嬢さんで全く共感できないのだが、音楽としての素晴らしさについ引き込まれてしまう。三味線も素晴らしい。

切は咲・燕三。心中を決意したお染久松に割って入る久作の出から。変なところで床が変わる。爺さんのしみじみした語りは流石。21年ぶりという、おみつの母が出てくる演出は、かみを下ろしたおみつが母には隠そうとする健気さが際立つ。

人形は清十郎のおみつ、文昇の久松 、一輔のお染。一輔のお嬢さんぶりが板についている。久三の小助の簑紫郎が楽しそう。油屋お勝の簑助は大分足取りが覚束なく、腰を支える4人目に加えわ、左遣いが右手を取って支える場面が散見。船に乗ってからは代役のようで頭巾を被っていた。
船頭の玉翔は泳がず、手を離れてしまった竿を足に引っ掛けて引き揚げるのみ。ここはあまりやりすぎない方がいい。

「釣女」
藤の太郎冠者、芳穂の大名、希の美女、三輪の醜女に団七、清馗、清公、清允。太郎冠者はもう少し軽快さがほしい。

人形は玉佳の太郎冠者が出てきた時から楽しそう。玉勢の大名、紋臣の美女、勘弥の醜女。̪̪醜女の首はお福だが、お福って可愛いのに。松羽目の舞台で、酒の杯は鬘桶の蓋だが、瓢箪徳利なのは折衷案? 


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