2020年11月4日水曜日

11月3日 十一月歌舞伎公演 第二部

「彦山権現誓助剣」

仁左衛門の毛谷村。あまり好きな話ではないが、輝くばかりの若々しい六助に清々しい気持ちになった。何か若返ってませんか? 弾正の嘘が分かり怒りに震える様に正義感があふれ、力の入りようといい、気持ちいい舞台だった。

梅枝の長男、小川大晴が弥三松役で初お目見得。子役に上手い芝居は必要ないとはいえ、間が悪いというか、セリフをようよう言っている感じだし、ときおり声の緊張感が途切れてトーンがおぼつかない。まだ2日目だから、日を重ねればよくなるのかも。

微塵弾正の弥十郎は悪人ぶりがちょっと物足りない。

お園の孝太郎はいじらしさ、可愛さはあるのだが、何か足りない。誰かが色気が足りないと評していたが、そういうことか。

14日に再見。仁左衛門が花道に登場すると割れんばかりの拍手。弾正の不正がばれ、敵であることが明らかになっていざ、というところで、腰掛を使っていたのは通常の演出だったろうか。階段を上り下りしたりするのはさっそうとしていたので、足が悪いとも見えないのだが。怒る六助が庭の石を地面にめり込ませるところは、所作板に穴が開いていてそこへ沈む構造?

大晴は大分しっかりしていた。六助の怒りにあわせて一緒にきりっとした顔をしていたりと、芝居に入っている感じがした。

「文売り」

梅枝が艶やか。所作もきれい。

清元の延寿太夫はやはり声がしんどい。

「三社祭」

鷹之資の悪と千之助の善。鷹之資の踊りの上手さは相変わらずだが、おととしの顔見世でも踊って慣れてきたのか千之助の動きが見違えるほど滑らかになっていた。

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