「平家女護島」
珍しい、六波羅清盛館の場から。
菊之助の東屋は凛として美しく、役として説得力がある。(俊寛には過ぎた女房という気がしなくもないが……)
好色なじじいといった感じの清盛役は誰!?と思ったら、吉右衛門の二役でびっくり。
歌昇の有王丸、種之助の菊王丸の件は奴さんのよう。。
。おなじみの鬼界ヶ島の場は、これまで見た中で一番。細部まで十分に見えた気がした。俊寛の吉右衛門はちょっとよぼけていて、人が好さそう。瀬尾の赦免状に自分の名がないことを嘆くのに、地面に横たわって手足をばたつかせる駄々っ子のよう。
錦之助の少将、吉之丞の康頼。千鳥の雀右衛門は「りんぎょがってくださんせ」というのがいじらしく可愛い。
瀬尾の又五郎が憎々しく、二役で丹左衛門の菊之助はさっそうとして好対照。
幕切れは、岩に上るも遠ざかる船になすすべもなく、呆然とした様子の俊寛。自らの選択で島に残ることにしたのに、あからさまな未練を見せるのは釈然としないと常々思っていたので、この演出は多少とも納得。
0 件のコメント:
コメントを投稿