青鞜の編集部を現在の感覚で描く。彼女たちに立ちはだかる障害は現在にも共通するもので、現代風の衣装で現代のものとして描く意図は理解できなくはないのだが、違和感が残った。冒頭、青鞜創刊時に寄せた平塚らいてうの言葉をラップで歌うのが今っぽいというか、洒落ていたが、暗転の転換が多用され、ドラムのSEが繰り返されるのが集中を妨げる。最後は戦時中や戦後のらいてうらの活動を駆け足に紹介する感じ。へえという意外感はあったが、詰め込んだように感じなくもない。
平塚らいてう役の朝倉あきは清楚なたたずまいで、育ちの良さが感じられる。黒のプリーツスカートに白や紺のブラウスという衣装はおしゃれで素敵。伊藤野枝役の藤野涼子はチェックのシャツにジーパンで、粗野な貧しさを体現。空回りする理想、計画性のなさといった問題はありつつも、もがく女たちの姿は現在も続いている。
尾竹紅吉役の夏子が少年のような不器用さ、少女らしい執着を現して魅力的。
らいてうの恋人、奥村博役の須藤連は、ちょっとなよっとして、若い燕らしくはあるが、頼りない感じ。
山田わか役の枝元萌が、困難を乗り越えてきた女のたくましさを体現して頼もしい。
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