2019年8月18日日曜日

8月17日 文楽素浄瑠璃の会

「一谷嫩軍記 熊谷陣屋の段」は呂・清介。
慎重な出だしはいつも通り。三味線にかき消されるように感じるところも。文章ごとにブツ切れで聞こえ、全体のつながりが感じられないのが難点か。「十六年もひとむかし」は勿体をつけるよう?

「義経千本桜 河連法眼館の段」
咲・燕三に燕二郎のツレ。咲は節遣いのうまさはさすがだが、口が回り切らない様子で狐詞など不明瞭。テクニックはあるのだが、楽器が劣化しているような。源九郎狐の告白は詞がよく入って分かりやすかった。

「ひらかな盛衰記 神崎揚屋の段」
千歳・富助に勝平のツレ。遊郭が舞台のたおやかな場面だと思うのだが、千歳の語りは硬いというか、ゴツゴツした印象。ニンではないのでは。富助に勝平のツレが入ると、スケールが大きいが、やはりこちらもはまり役ではないように感じた。順に聴いてきて、体力、気力の充実ぶりはぴか一。最後にやっと浄瑠璃らしい浄瑠璃を聞いた気分。

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