「鎌倉三代記」
局使者の段は希・清軌。希は声はいいのだ。同年配の局2人と三浦之助母と女性の登場人物の語り分けがもっとはっきりすればいい。
米洗いの段は靖・錦糸。靖の声が良くでていて、午前のアレはなんだってのかと思う。錦糸の指導の賜物か、三味線でこうも変わるのかと。慣れない家事に勤しむ時姫の健気さ、おらちのおかしさ。コミカルな場面はニンに合うのか、楽しめた。
三浦之助母別れの段は文字久・藤蔵。この組み合わせは久しぶりだ。文字久はのびのび語っているようでいいのだが、あまり泣けなかった。
高綱物語は織・清介。力で推していく感じで、山場でははっと目が覚めるようだが、ずっとこの調子なので疲れる。歌い上げるようなのもいただけない。
人形は勘弥の時姫が可憐。玉助の三浦之助は力がはみ出るよう。和生の母は出番が少なくもったいない感じ。玉志の藤三郎実は高綱は腹に一物ありそう。
「伊達娘恋緋鹿子」
珍しい八百屋内の段は津駒・宗助。お七がお店のために嫁にやられそうになっていることや、吉三郎が大事の刀を失くして取り戻す期限が迫っていることなど、お七と吉三郎を取り巻く事情が明らかになる。…のだが、吉三郎の煮え切らない様子、お七の恋にのめり込むのがよく分からん。親もとりあえず嫁に行って嫌われて戻ってこいと言っているのだし、ここは親孝行のために偽装結婚してもいいのでは…と思わなくもない。
人形は一輔のお七が年頃の娘の暴走ぶりを活写。吉三郎の玉勢は金も力もない二枚目らしい。下女お杉の簑紫郎が手堅い。
火の見櫓の段は芳穂、南都、亘、碩に勝平、清公、錦吾、燕二郎。南都の美声が効いていたのと、勝平の三味線の安定感が耳に心地よかった。
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