2018年12月7日金曜日

1203 吉例顔見世興行 昼の部

「寺子屋」
愛之助の武部源蔵は初役?花道の出が今ひとつ重みがないというか、無理して深刻そうにしているように見えた。戸波に事情を明かすあたりからは緊張感があった。首実検が終わって玄蕃一行が立ち去った後、戸波と抱き合って喜ぶところは世話物かという勢い。松王の告白を聞いているところで目の辺りから雫が。涙かと思ったが、泣くような場面ではないだろうし、汗なのか。戸波は扇雀。柄が大きいのはともかくも、世話女房ぽい。
芝翫の松王は、登場時の咳が長く、感情が高ぶったところでがなるような発声は耳障り。千代の魁春は目の下のラインが直線のようで違和感があった。
涎くりに福之助。美味しい役のはずなのに、道化役になりきれないようであまり面白くなかったのが残念。
朝イチで寺子屋はしんどかった。あと、首実現のところで携帯鳴らしたのはほんとやめてほしい。

「鳥辺山心中」
梅玉の半九郎はすっきりとして、短気で人を殺めるようには見えないのだが、何故か物語を受け入れてしまった。孝太郎のお染は純朴な娘らしい。右団治の坂田源三郎が一本気な青年を歯切れよく表現。梅丸がかわいい。

「ぢいさんばあさん」
仁左衛門のチャームが止まらない。またかと思う演目なのに、るんとのいちゃつきぶりがノリノリの様子で、ほのぼの。
京都の場面では松之助の同輩の侍がいい奴らしい。
芝翫の下嶋がやっぱりがなっていた。
年老いてからもやはりら可愛らしい夫婦で、甥夫婦の愛之助と孝太郎もほのぼの見えた。

「新口村」
藤十郎の忠兵衛はもはやミニマムの動きで、顔の向きも変えないほど。声があまり出ていなくて、三味線でセリフがかき消された。
扇雀の梅川、鴈治郎の孫右衛門。親子が逆ではというのは置いておいて、3人が並ぶとやはり似ている。

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