「幸助餅」
チケットの発券に手間取って冒頭を観そびれたのだが、大阪で観たのと比べて、①セットが豪華②幸助がシュッとしてる(カッコいい?)③餅屋が立派(かつての大店に匹敵するのでは…)。お江戸に行くとこうなるかと。人物描写が硬いといおうか、深みがないのか、上方の柔らかみがないとずいぶん雰囲気が違って見える。セットが豪華なのは歌舞伎座の間口に合わせたのかもしれないが、最後の餅屋があんなに立派では話のニュアンスが変わってしまう気がする。
「於染久松色読販」
壱太郎がお染の七役。早変わりは概ね無難にこなしていたが、茣蓙に包まったお染がすれ違いざまに久松と変わるところは、茣蓙の隙間から久松の着物が見えてしまい、変わった後のお染の着物も乱れていたのが惜しかった。初役だから無理もないが、鮮やか、とまではいかなかった。回を重ねたらよくなるのだろう。
七役ではお染や久松、お光らはニンに合っているが、育ちの良さが出てお六のセリフに貫禄が足りない。強請りたかりが真似事のよう。3場の踊りはお光の狂乱はもちろん、お六も立ち姿が決まっていた。
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