2018年12月16日日曜日

1214 燐光群「サイパンの約束」

日本領だったサイパンで生まれ育った少女の手記をもとに映画が撮影される。出演者によるワークショップと戦中の出来事、現在の様子が混在し、少し混乱したのと、説明的なセリフが多く、作品に入り込めなった。しかし、ラストシーンが近づくにつれ、渡辺美佐子演じる春恵の存在感が増し、説得力ある演技に引き込まれた。記憶があいまいで少女に戻ってしまう役だったせいか、逆に渡辺の老いを感じた。セリフに詰まるところもあったようだし。サイパンへの移民は沖縄出身者が多かったとか、内地と沖縄、植民地と三段階の差別が当時からあったとか、気づかされることがあったのは燐光群ならでは。

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