「義経千本桜」
木の実からすし屋まで。2時間半ぶっ通しは辛いわ。
小金吾初役の千之助は溌剌として、キビキビした動きが好印象。立ち回りでは刀がロープに引っかかるなど不手際もあったけど、懸命な様子に好感が持てた。若葉の内侍のが孝太郎、権太の仁左衛門と3人並んだのもご馳走感があっていい。
権太の仁左衛門は多分ニンではないのだけど、観客の心を打つ。ゴンタくれで憎たらしいときもどこかチャーミングだし。子煩悩な一面や秀太郎の小せんとのじゃらじゃらしたやりとりがその後の悲劇を際立たせる。秀太郎の小せんは権太のセリフにあるように「瑞々しい」女房ぶり。
お里は扇雀。弥助の時蔵と並ぶと柄が大きいので可愛く見えないのだなあ。
梶原の手下の梅丸が凛々しい武者ぶり。
すし屋の引き戸の建てつけが悪く、途中までしか開かないハプニングが。仁左衛門が「エライ建て付けが悪いなぁ」とアドリブで補ったけど、狭い隙間から滑り込むように出入りするたびにに笑いがおきたのは気の毒だった。若葉の内侍なんて、着物や髪飾りで大分かさばっているので特に。
「面かぶり」
鴈治郎の一人踊り。竹馬ひ乗ったところ、懸命にやっているのだろうが、軽やかさがなくバタバタした印象。
「白浪五人男」
愛之助の弁天は可愛いさがあり、男に戻ってからの落差と、歯切れのいいセリフも悪くない。「知らざぁ言って…」の決めゼリフは大げさすぎず、さらりと。力みすぎると興ざめだ。永楽館の時の方が、なんとか女に見せようと懸命な感じで良かったけど。
右団治の南郷とのコンビも良かった。そして、右団治が格好よかった。
日本駄右衛門の芝翫はやはり力みすぎるというか、やかましい。
勢揃いはやはりスカッとする。
「神田祭」
鷹之資の悪玉に千之助の善玉という、同級生コンビが清々しい。踊り上手な鷹之資に見劣りするかと心配したが、なかなかどうして、溌剌とした動きに好感が持てた。フレッシュな一幕で、打ち出しにはもってこい。
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