2018年4月13日金曜日

4月7日 4月文楽公演 第1部

「本朝廿四孝」 「本朝廿四孝」 桔梗原の段 口は芳穂・団吾、奥が文字久・団七。 芳穂は手堅いが、無難にまとめているようにも感じる。低音から高音まで音域は広いが、唐織、入江の女性2人の語り分けがちょっと分かりづらい。文字久はしみじみとした語りで、風格らしきものも出てきた。もっと大きさがあるとなおいい。
口上ののち、景勝下駄の段は織・寛治という珍しい組み合わせ。 艶のある声で堂々とした様子。時に歌っているようになるのは相変わらずで、慈悲蔵がイキってるというか、調子乗ってるみたいに聞こえる。
勘助住家の段 前を呂・清介、後を呂勢・清治。 呂は力強い出だしはよかったが、後半は息切れ感。途中、声がユニゾンで聞こえた気がしたのは、清介が口ずさんでいたから? 呂勢は似合わない配役と思ったが、力の入った語りで充分な迫力。劇場いっぱいに声が満ち、これぞ義太夫節という満足感があった。 線の太い、例えて言えば、墨をたっぷり含ませた太筆で一本線を引いたような語り。清治の三味線も存分に弾いていて、イライラした様子がなかった。
襲名の幸助改め玉助は、途中アクシデントもあったものの(後で知ったが、チョイの糸が切れたとか。他にもぶっかえりが引っかかったりとか)、力いっぱいの熱演。これからに期待が高まった。

「義経千本桜 道行初音旅」
9枚9挺の太夫、三味線が舞台奥にずらりと並び、満開の桜が彩る舞台は過剰なほど咲の豪華さ。咲の静御前に織の忠信という師弟コンビで浮き立つ様子を語りで聞かせる。ちなみにツレに南都、咲寿も並ぶので一門勢揃いだ。若い太夫に囲まれて咲が老けたなぁと実感する。
人形は狐といえばの勘十郎。書割の桜の間からから顔を出したかと思えば、反対側の書割から現れたり、太夫の後ろへ回り込んだりと、舞台装置を活用してのケレンを見せる。静は清十郎。14日に見たとき扇を取り落としていたのは舞台が狭くなった分、やりにくいのか。

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