新釈「鬼の継子」
千之丞による新解釈版。乱暴な夫から逃れるため家出した女(童司)が、「できちゃった婚で一緒になった」とかのたまう。鬼のあきらが子供の可愛さにほだされて行く様子が微笑ましい。最後、碌でもない夫より子煩悩な鬼と一緒になる方が幸せ、というある種ハッピーエンド。お代官に逸平、太郎冠者に丸石。
「貰い婿」
千五郎の夫、茂の女房、舅の千作という親子共演。酒乱の夫から逃げてきた女に「またか」という千作の一言に色々な思いがこもっていて可笑しい。「娘はいない」と男を帰そうとする舅の袖を引いて、未練を見せる女房のどうしようもない可愛さ。最後は舅を置いて意気揚々と去って行く夫婦。犬も食わない例え通りだけど、千作の舅がなんだか可哀想だった。
「萩大名」
野村万作を大名役に招いての異流共演。太郎冠者の高野和憲も野村流なのか、大名と太郎のやりとりが賢げ。失敗したときの万作の大名が手で口を押さえて「しまった」という表情がなんともかわいい。最後もあっさりした感じで、茂山の狂言を見慣れたせいか物足りないくらい。七五三が 亭主役。
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