2018年4月6日金曜日

0405 赤道の下のマクベス

シンガポールの刑務所に収監されたBC戦犯。6人のうち3人は〝日本兵〟として裁かれた朝鮮人だ。祖国が独立して自由になったのに、旧日本兵だけ日本人として裁かれる理不尽さや、命令をくだした上官らの責任を問わず直接手を下した下級兵だけが裁かれる不公平さなどは、もっともだと思うのだが、「だから無実で罪がない」「むしろ被害者だ」という主張には何となく違和感を感じる。今作では主人公が、自身の境遇をマクベスと重ね、放っておいても王になれるのに先王を殺したのはマクベスの選択=戦犯に問われる行為は自身が決めたこと、という趣旨のセリフに潔さを感じた。上官の命令だからといって、従わない選択肢ななかったのか、そもそも、志願兵にならなければよかったのではないかという疑問を、朝鮮半島にルーツを持つ趙が書いた意義は大きいと思う。 俳優陣では平田満がさすがの説得力だった。

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