2017年10月2日月曜日

0928 ピッコロ劇団「かさぶた式部考」

好評だった舞台の再演ということで期待していたのだが、初演のほうがよかったという人も。 宗教のうさん臭さと突きつけ、豊市一家は結局救われないというラスト。焚火の火に照られされた母伊佐(平井久美子)の横顔が切ない。 智修尼の森万紀は凛とした美しさで2幕で豊市をいたぶるところの妖艶さが鮮烈。知的障害の信者、夢之助の孫高宏の鬼気迫る様子、てるえ役の吉江麻樹の切羽詰まった演技が良かった。解せないのは伊佐が最後、正気に戻ったことを忘れるため巡礼地の管理人のようになるところ。豊市が正気に戻ったという「奇跡」を描いた大きな絵馬が飾られているところになぜとどまるのか。絶えずその事実を突きつけられる場所にあえて身を置く理由がわからない。

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