2017年3月16日木曜日

0311 三月大歌舞伎 昼の部

「明君行状記」 青果ものらしい、理屈っぽい話。亀三郎演じる善左衛門がなんであんなに殿様に突っかかるのか。若さゆえの潔癖さ?梅玉の池田光政は本領発揮というか、殿様らしさが似合いすぎるほど。 「義経千本桜」 渡海屋から大物浦。仁左衛門の銀平実は知盛が悪かろうはずもないのだが、充実の舞台を堪能させてもらった。花道の出から骨太な様子だが、白装束に変わってからは武士らしい本性を現す。手負いになってからは、時折喉を掻き毟る仕草をみせ、後に胸元から引き抜いた矢に付いた血を舐めてみせる。細部までこだわりというか、配慮の行き届いた演技だ。 時蔵の内侍の局は、銀平の空見自慢のところはちょっとあっさりしすぎにも思ったが、銀平が白装束に着替え、安徳帝を上座に据えてからは表情が一変。宮廷の女官らしい気品がただよっていた。 右近の安徳帝は期待しすぎたのか案外普通だった。 「神楽諷雲井曲毬 どんつく」 幹部俳優勢揃いの華やかな舞台だが、正直退屈。巳之助の踊りがまだまだなのか、どんつくが以前演じたちょっと足りない男みたいに見えた。松緑は玉入れで失敗を重ね、舞台上でも笑いが漏れるほどだった。

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