2017年3月16日木曜日

0309 清流劇場「オイディプス王」

充実した舞台だった。膨大なセリフをこなした役者陣の健闘はもとより、ほとんど動きがなく、会話だけで展開する芝居を飽きさせず、セリフを届けた演出もよかった。よりはっきりセリフの意味を伝えたいところはマイクで、それ以外は地声でとメリハリをつけたり、仮面をつけたコロスに語らせたり。オイディプスとクレオンの口論のシーンに陽気な音楽をつけたのも印象的だった。 だんだん追い詰められて行くオイディプスの緊張感に息を呑んだ。高口真吾は台詞回しがいいというイメージではなかったのだが、説得力のある芝居だった。 ラストシーンは運命に翻弄されるだけでは終わらないというオイディプスの意思が示される。原文でも解釈が分かれるそうだが、ただ神に弄ばれるだけでは現代には受け入れにくいのかも。 イオカステの林英世がさすがの存在感。仮面を着けてコロスの1人でいるときも、際立っていた。

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