2016年11月5日土曜日

1104 木下歌舞伎「勧進帳」

国境警備隊のような、黒の上下の番卒たちに囲まれ、椅子の上で体育座りする富樫。タバコをふかして不良少年のような振る舞いには威厳がなく、小物っぽい。番卒たちも「~じゃね?」「ありえねーし」みたいな何とも軽い口調で、関の警備に飽き飽きしている様子。 弁慶が米国人で、日本語は喋れるもののややたどたどしく、アクセントがところどころ違うので、セリフがすんなりとは入ってこない。狙いなのかもしれないが。所作も、日本人ならば自然にできるお辞儀などの動きがどこかぎこちなく、弁慶らしい風格は見られなかった。 義経はすり足などの動きが美しく、気品を感じさせた。この人がいたから芝居が締まった。女優かと思っていたら、トランスジェンダーで女性になったそう。端正な顔に男の声だったのが、義経には合っていた。

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