2016年11月18日金曜日

1117 宝塚花組「雪華抄」「金色の砂漠」

「雪華抄」 宝塚では2年ぶりという和物のレビュー。チョンパで銀橋と舞台にきらびやかな和装姿がズラリと並んで圧巻。が、若衆姿が男に見えず、女同士で戯れているよう(まあ、実際そうなのだけど)。 春夏秋冬が足早に移り変わるので飽きさせない。琳派風の背景など、セットも豪華というか派手でキラキラしすぎで眩しい。 安珍清姫をモチーフにした部分では、安珍(明日美)が清姫に恋心を抱いたことに苦悩。清姫(花乃)はぶっかえりで蛇に変化するのだが、なぜか大きなヴェールで隠れての早変わり。せっかくなら歌舞伎のように、見えるところでやったほうがいいのに。 「金色の砂漠」 上田久美子の脚本・演出がよい。生まれついての奴隷という人物が主人に恋したり、野心を抱いたりするかなあというところは疑問だが、そこを除くと人物の感情の流れが分かりやすく、物語に破たんがない。舞台を横切るベールやダンサーで砂漠を表す演出もキレイだった。何より、花乃まりあのタルハーミネは気の強い王女役がはまっている。明日美りおの奴隷ギイは奴隷らしくないのだが、復讐に燃える男という役どころはよかった。王を倒して復讐を果たしても、母は自害し、タルハーミネは砂漠に逃れ、追いかけたギイも砂漠に倒れる。ハッピーエンドでないのは思わせぶりだが、観ているほうとしては爽快感がないかも。

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