2016年11月2日水曜日

1101 錦秋文楽公演 第2部

「増補忠臣蔵」 前を睦・清友、切を咲・燕三、琴の燕二郎。 睦はつやのある声で掛け合いのときよりもだいぶ良いと感じた。 咲は本調子には届かないような気がするものの、さすがの安定感。琴、尺八も加わって耳に楽しい。 ※14日再見 咲の若狭之助は1~2段目の若々しさというか、後先見ない血気盛んな様子と比べるとやや分別のある感じか。この間に人間的に成長したとも考えられるけど。 玉佳が使う井波伴左衛門、タイガースカラーの黒と黄の縞の着物が派手だ。悪そうな顔の玉佳が目についてしまう。 本蔵の玉也が重厚感のある感じ。 「艶姿女舞衣」 酒屋の段の中を希・清丈、前を文字久・宗助、奥を津駒・寛治。 文字久は世話物はあまり合わないよう。 津駒、寛治は安心感があるが、お園のクドキ、あまりぐっと来なかったのはなぜだろう。 簑助の三勝は短い出番ながら印象に残る。お園が勘十郎。 ※文字久のお園、悪くなかった。 お園のクドキがあまり胸に響かないのは、貞女ぶりに共感できないせいなのか。親の決めた結婚相手だからといって、愛妾のもとに入りびたりで妻を顧みない夫を「自分が至らないから」とかばったり、「来世では一緒に」とか言われて喜ぶって…。この違和感を覆すだけの語りの力がなかったとも言えるかも。 勘十郎のお園はキビキビとよく動き、しおらしさとかいう感じではなかったかも。 「勧進帳」 弁慶・千歳に富樫・咲甫。7枚7丁の床は迫力があるが、ここまでいるかなあ。 咲甫の出だしが良く、千歳の弁慶も重厚感があってよいなあと思ったが、山伏問答がもったりしている。もっとスピード感が欲しいところ。 番卒の咲寿と小住がわあわあとやかましい。 人形は玉男、玉佳、玉路が3人出遣いで弁慶。花道の引っ込みはうーん。足遣いさん大変そうとは思ったけれど、迫力が今一つ。歌舞伎の真似をしなくてもいいと思う。 ※咲甫の畳みかけるような物言いで山伏問答の緊張感は増していたが、千歳の弁慶があまり乗ってこないというか、ゆったりした話し方を保っているのが重しとなっているようで。 和生の富樫がきりっとして、形も決まってよかった。

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